短編2
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美代ちゃん

去年の夏休み、私は一週間、田舎のおばあちゃんの家に泊まった。

なぜ私だけかと言うと家族はみんな旅行に行ったからだ。

私は宿題が終わってないせいで行かせてもらえなかった。

おばあちゃんに部屋を案内され、固まった。

部屋にはたくさんの人形があったからだ。おばあちゃんは小さいころから人形大好きでかなり集めていたらしい。

すごく嫌だったけれどわがままは言えないので我慢することにした。

荷物をよせて、ふと顔をあげるとある人形と目が合った。

日本人形だ。

私はなぜかその人形にすごく惹かれた。

すぐにおばあちゃんにねだり、おばあちゃんは「しょうがないわね」っと言ってくれた。

私はその人形に「美代」とつけた。

私は美代ちゃんをずっと可愛がっていた。

多分まわりの人は気味悪がると思う。

美代ちゃんに普段言えないような悩みも言ったりした。

美代ちゃんといつもそばにいた。

ある日おばちゃんは買い物に行くと言って行ってしまった。

私は美代ちゃんとテレビを見ていた。

ピンポン。

チャイムが鳴り、誰だろうと思い行くとお母さんとお兄ちゃんだった。

「あれ、もう帰ってきたの?」

「うん、だから迎えに来た」

とお兄ちゃんは笑顔で言った。

私は荷物をまとめてくるといい2階にあがった。

荷物をまとめていると急に寒気がした。

「……せない」

誰かの声がして周りを見渡すと誰もいない。

「行かせない」

声の主は美代ちゃんだった。

ドアの前で腕をひろげている。

私はすごく怖かった。だけど震え混じりに言った。

「美代ちゃんも連れて行くよ?」

美代ちゃんは私をすごい形相で見た。

嫌、実際表情は変わってない。すごくそう見えたのだ。

「イカセナイ、イカセナイイカセナイイカセナイ」

まるで機械のように呟く。

怖くてどう言ったらいいかわからなかった。

私が涙を浮かべていると突然美代ちゃんは喋らなくなった。

その場にコテンと倒れた。

急いで美代ちゃんの元に駆け寄った。

私は何がなんだかわからなかった。

だけどすぐに理解した。

あのあと、おばちゃんが血相を変えて帰ってきた。

家族全員交通事故にあい、母と兄が即死、父と妹が意識不明の重体。

イカセナイは、

逝かせないただったんだね……。

私は美代ちゃんを抱きしめ、たくさんの思いが入り混じり、大声で泣いた。

父と妹は助かりました。

怖い話投稿:ホラーテラー 桃奈さん  

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