短編2
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目線が...

今から10年程前の大学四年の時の北海道旅行での出来事。

当時の彼女、、まぁ今の妻と二人で4泊5日の旅行に出掛けた私達は、まさかあんな目に合うとは思ってもいなかった。

生きた心地がしないとは、まさにあの様な事を言うのだろう。

レンタカー代込みで、二人で八万円程の旅行の日程は、、、

現地でレンタカーを借りて、知床半島から南下してゆき網走、屈斜路、釧路と行く計画だった。

大人になってからは始めて見る北海道の壮大な自然に感動したのを今でも覚えている。

蟹料理に舌鼓を打ったり、道路を横切る鹿の群れに驚いたりと東京では味わえない体験をした。

他愛も無い会話で盛り上がったり、クリオネの真の姿に驚愕したのを今でも覚えている。

ところが、最終日に釧路の某有名な高級ホテルに泊まった時には、二人の顔から笑顔は消えていた。。。

チェックインを済ますと、最上階へと案内される。

その時二人は違和感を感じた。

何かが違う。何か可笑しいと。

ハッキリと認識はしていたが、二人とも声には出せなかった。

声に出したらよく無い事が起きる気がしていたからだ。

二人の嫌な予感は的中し、、、

通された部屋は、スウィートルーム!!

4泊5日で8万円の旅行で高級ホテルのスウィートルーム!!!

チェックアウトのさいに数十万円請求されるのではと恐怖が襲ってきたが、最後の日にスウィートルームで優雅に過ごしたいと言う気持ちの方が勝ってしまった。

そのお陰で、ルームサービスを頼む時もどこか後ろめたさを感じ、、

ラウンジでお茶を飲む時もソワソワしていた。

身分不相応な部屋に泊まっていると言う後ろめたさから、生きた心地がしなかった。

ついにチェックアウトの日が来たのだが、支払った金額は二人で1万5000円!

逃げる様にホテルを出たのは言うまでもない。。。

怖い話投稿:ホラーテラー じょにーさん  

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