中編4
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家宝

みなさんの家には、いわくつきの家宝はありますか?

今回は僕の家の祖父の家には、家宝として神棚に奉ってある刀について、お話したいと思います。

けして、怖い話ではありません。

入院した時に聞いた話です。

僕が小学四年生の時

たしかあれは、暑い夏の土曜日の事です。

テスト中突然お腹が痛くなり、冷や汗をかきながらテストに向かっていました。

チャイムがなり、後ろからテストを回収する子が僕の所に来て、テストを回収。

僕の顔を見て心配そうに

女子A「だっ大丈夫!?顔真っ青だよ?」

と言ってくれました。

僕はただの腹痛だと思い

僕「大丈夫、大丈夫!」

と元気にみせました。

二時間目のテスト時間にお腹の痛みは増して行き、冷や汗もとどまるところを知らず、タラタラ出てくる!!

この時はテストどころじゃありませんでした。

終わりのチャイムがなるやいなや、先生の所に行き

僕「お腹痛いんで、保健室に行ってきます…」

先生「もしかして、ウ○コかあ?w」

いつもならここで

僕「はい!とてつもなく巨大なウ○コかも知れません!!隊長、投下の許可を下さい!!」

とか冗談を言う所ですが、今回に関してはそんな先生のフリを無視!

直ぐ様保健室へ直行しました。

保健室につく頃には、もう歩くのもやっとでした。

保健室扉を開けると、保健室のおばちゃんが僕を寝かせようとベッドに誘導して歩いているその時!

突然の吐き気に襲われ、洗面台にリバースしてしまいました…

そしてフラフラな僕…

それを見て保健室のおばちゃんはただ事ではないと思い、担任を呼びに行きました。

保健室のおばちゃんが担任を呼びに行っている間、僕は吐き気に襲われ、またリバース…

汚いですけど本当、当事者としては死ぬ思いでした。

保健室のおばちゃんが戻ってくると、おばちゃんの後ろに担任が心配そうな顔で話しかけてきました

担任「今お母さんに連絡したから、もう少し頑張れ」

若干涙目だったのを覚えています。

そして騒ぎを聞きつけた教頭やその他の先生もかけつけてくれました。

この時、先生達の優しさに目が潤んで泣きそうになりました。

母が来て、タクシーで帰宅。

家につくやいなや母が父に電話で僕が大変と伝えてましたが、僕には父を待つ余裕など残ってませんでした。

父が帰って来るまでの間右へ左へ

「痛い!!痛い!!痛い!!」

と泣き叫びながら、のたうちまわってました。

そして父がやっと帰宅

病院に行き直ぐ様検査…

そして検査結果……

盲腸でした。w

医師が言うには急性型盲腸炎とか言っていた気がします。

入院してから、夜中に下痢を漏らすは、ゲロは吐くはで何気に辛かったです。

そんなある月曜日。

何故か父が病室にやって来て

父「今日、手術だからw」

突然の宣告

手術すると思って無かったし、第一手術する当日に言うとは何事か!?

心の準備は勿論なく、ソワソワ、アタフタテンパっていると、看護婦さん登場!

腕に注射を刺さる痛みと手術の恐怖で涙がボロボロ…

手術室に運ばれる頃には、覚悟を決めてました。

手術室に入るとドラマでも見たことのある光景

担当医「麻酔しますよ、10数えてくださーい」

なに!?寝てなるものかと数を数えながら思いました。

俺「1、2、3、4……」

気付いたら病室のベッドの上でしたw

さすが麻酔、薬には勝てません。w

友人や好きな人がお見舞いに来ていました。

まだ麻酔も完璧に覚めてたわけではなく、いつの間にか寝てました。

次の日、祖父と祖母、叔母がお見舞いに来てくれた時祖父がこんな事を言ってました。

祖父「おらの家さ、刀あるべ?」

俺「知らない」

祖父「ほら、座敷の神棚の上さよ」

俺「だって高すぎて見えないもん」

高さ的には大人がおいっきりジャンプしてちょっと見えるぐらいです。

祖父「…まああそこさ、刀を奉ってるんだけども、あの刀の腹が少しかけてるんだよ」

俺「まさかそれがあるから、手術ではらきったとか?w」

祖父「おらほうの家系の男どもは皆腹切ってるべ?しかも悪さをしたやつは違うとこも切ってる。」

切ってるとは、多分手術の事を言ってると思います。

俺「まさか〜」

祖父「お前のとこの親父がそうだべ?」

たしか僕の父は肺に穴空いたり、盲腸で何かしら手術をしてました。

祖父「だから悪さはするもんじゃねえぞ!?」

俺「はーい」

ここで話は終わりです。

暇な方は後日談をどうぞ。

後日談

僕には弟がいるんですが、小さい時病気で手術してお腹を切りました。

盲腸ではありません。

僕は中学生の頃から悪友と悪さを繰り返していました。中学生卒業後すぐに鉄工所に勤めていた時、鉄骨に頭を打ってしまい、その際頭をパックリきって、何針か縫いました。

そして祖父から

祖父「悪さしたな?」

と言われました。

刀は関係あるかわかりません。

ただ本当にうちの家系の男は、なにかしらの病や怪我でお腹を切っています。

怖い話投稿:ホラーテラー シエルさん

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