短編2
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ネコの怒り

小学の時、女の子の友達に「面白い場所を見つけたから行こう」

と誘われ、付いて行くと・・・

解体された家でした。

「ここ?」と聞いてみると友達が、

「これを見て」と言って何かを足蹴りしました。

乾いたカラカラという音とともに、

クルクル回りながら私の足元で止まった白い物体・・・

動物の骨でした。

たぶん解体された家で飼われていたんだと思います。

解体する時に気付かれずに巻き込まれてしまったのかもしれません。

私は、触る事ができませんでしたが

面白がって蹴っている友達に「やめよう」、

と言う事しかできませんでした。

その時、近所のおじさんが「ネコに祟られるからやめなさい」

と、叱ってくれました。

友達は、「そんなことある訳ないじゃん」と笑っていました。

次の日、その子が入院したと朝のHRで発表されました。

休み時間に先生に聞いてみると、

「原因不明の足の病気らしい」と教えられました。

私は、ネコが怒ったんだと思いました。

その日のうちにお見舞いに行ったんですが、

朝起きたら足が全く動かなくて病院へ行ったそうです。

先生も原因が分からず、そのまま入院する事になったそうです。

彼女には、「昨日の事は誰にも話さないで」と言われたので

今ここに投稿するまで喋った事はありません。

(20年経ったので時効でしょう・・・)

私は、あのネコを埋めてあげようと思い

その足で昨日の現場まで自転車をとばしました。

でも、どこを探してもネコの骨がありません。

私たちを叱ってくれた人の家に行って聞きましたが、

「知らない」と言われました。

その後、友達はしばらく入院生活を送ったのち

何とか歩けるようになり、登校していましたが

気付いたら転校していて、その理由は誰に聞いても分からずじまいでした。

子供ながらに、死んでしまった動物を粗末に扱ってはダメなんだ、

と思い知らされた出来事でした。

皆さんも、埋めてあげる事までしなくても

絶対に粗末に扱わないで下さい。

そして、彼女が平穏な生活を送っている事を願っています。

怖い話投稿:ホラーテラー ブイゼルさん  

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