『なんのこと?』
『‥じゃあ次、悪い話』
彼は人差し指を立て、頬の上を斜めに切りました、『や・く・ざ』と口を動かしながら。
『え?』
『俺、コレやねん、下っ端やけどな』
彼は先ほどと同じように指を動かしながら困ったような笑顔で言いました。
『そうなんや‥』
とは言うものの、手は震えています。
怖い
『だから、今はその気ないって。まおちゃん大丈夫?』
『え、あ、うん』
『まおちゃんさ、掲示板で援助希望してたやろ?あんな、援交て基本は俺等が斡旋してんねん、やから何も分かってへん素人が個人で動き回られると邪魔やねんやん、そういうコ見つけたらこないして捕まえて、俺等側に沈めるんが決まりやねん』
そう言って、彼はデジカメを差し出してきました、未だ震えるわたしの手の上の液晶には、女の子達の裸体や、殴られた後のある顔のアップなど、目を背けたくなるような画像が入っていました。
『さっきの白いハイエース、あれも仲間、ほんまはあのままあそこでマワして、それを撮影する予定やってんけど、ほんま偶然、向こうにちょっと用事ができたらしいわ』
彼は恐ろしい事をさらさらと言いながらデジカメを取り、続けます。
『まおちゃん、本名〇〇やろ?苗字は××で、学校は△△、当たってる?』
え‥‥?
すべて、当たっていました、送った数枚の写メから、調べたそうです、でも、そこまで分かっていて、今わたしを捕まえられるのに、なぜ彼が『今はその気がない』と言うのかわたしには理解できませんでした。
『助けて、くれるん?』
『ん、あぁ、せやな、まおちゃんは運に守られてるみたいやし、逃がしたるわ』
運に守られてると言う事について、彼が話してくれたのは本当は今日、ここに来るのは自分じゃなかった、担当のヤツが仕事で遅れてたまたま自分が来た、ソイツが来てたらアウトだった、さっきの白いハイエースが帰ったのも本当にたまたま、それから、
『まおって名前な、昔この辺で有名やった、伝説の援交嬢やねん』と、笑いながら言った。
続きは補足の様なものです、
怖い話投稿:ホラーテラー まおさん
作者怖話