中編3
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603号室

私がカラオケBOXでバイトをしていた時の話です。

そこのカラオケは6階建てのビルで1階は受付、

2階~6階が部屋になっています。

このカラオケBOXの部屋は、どの部屋もとても気味が悪い作りのものでした。

マネキンがロープで縛ってあり、天井から吊るされていたり、

バラバラになった人形が飾ってあったりと、お化け屋敷をイメージしたような部屋ばかりでした。

昼間の営業は2階から4階までしか使わず、

5.6階は夜の部で営業をしていました。

ある日、夜の営業の準備で6階を一人で掃除や準備をしなくてはいけなくなり、

エレベーターに乗って6階へと向かいました。

エレベーターを降りると、

とてつもなく重たい空気に全身に鳥肌が立ちました。

6階の廊下の照明は赤と青のライトを使った、

暗い雰囲気にしてありました。

601号室、602号室は何の異常もなく掃除、準備を終えました。

そして、603号室の部屋に入ると、

今までに感じたことのない殺気の様なものを感じました。

奥のソファーから掃除をしていたところ、ヒソヒソとした声が聞こえました。

6階には私しかいないはずなので、

念のためにインカムで誰か上に上がってきたのか確認をしましたが

誰も6階へは行っていないとの事でした。

私のすぐ後ろで感じる気配は3人います。

恐る恐る、後ろを振り返ると、

そこには苦しそうな表情で、壁から這い出そうとしている3体のマネキンがいました。

その3体のマネキンはそれぞれ表情があり、

片目が落ちかけている1体と、顔中血だらけの1体、

そして大口を開け、唸っているように見える1体。

マネキンの表情にびっくりしながらも、

ただの人形だと言い聞かせ、掃除を進めると、

廊下からパタパタと何かが走る音がします。

掃除を一旦中断し、廊下へ出てみると、

下半身だけの子供?のような裸足の足が走っていました。

その長い廊下の突き当りには女性らしき人がいました。

その女性の身長があり得ないほど大きいのです。

天井近くまであります。

その女性はスーッと廊下を曲がり

見えなくなってしまいました。

裸足の足はそのまま走って

壁に消えてしまいました。

嫌なものを見てしまったのと、603号室のマネキンが気味悪いのとで、

半ベソをかきながら掃除を放り出し

エレベーターでみんなのいる階まで降りようと思いました。

暗い廊下で待つエレベーターはとても長く感じました。

やっと、エレベーターが到着し、乗り込みます。

1階のボタンを押し、閉まるボタンを押しますが

、全く閉まってくれません。

ふと、顔を上げると、長い廊下の端っこから何かが動いています。

始めはフラフラとゆっくりこちらに向かって歩いているように見えました。

先ほどの女性?・・・と思った瞬間、その女性の顔だけがどんどん大きくなり

ついには床から天井までの大きな顔になりました。

顔の表情は、顎が外れたかのように大口を開け、

苦痛の表情に見えました。

よく見ると、顔は正面だけでなく、両横にもついていて、

3人の顔がひとつになってくっ付いているようでした。

これは603号室で見た、あのマネキンの顔とそっくりでした。

もう完全にパニックなりエレベーターの『閉』ボタンを連打します。

あと少しで、その大きな顔がエレベーターの中に入ろうとした時、

やっとエレベーターが動き出し1階へと降りることが出来ました。

私は泣きながら、バイトを辞める意思を伝えると、店長が一言・・・

『霊感の強い新人は1ヶ月と持たないんだよね』

・・・と。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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