短編2
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頭を撫でる手

自分(俺)は幼い頃ナニカが見えていたらしい…。と母がお茶を飲み、言う。

幼い俺は両親よりも先に寝る。

寝床はもちろん両親の寝室で母のベッドの端、壁側だった。

後から両親が寝室に来た時、幼い俺は額の辺りを触る様に手を上げて

「おじちゃんのおてて冷たい」

と言っていたらしい。

両親は?と思いつつ近づき枕元の電気スタンドをつけると、異常に赤い俺の顔。

慌てて熱を計ると40℃近い熱。

直ぐに俺を連れて近くの病院まで走ったと言う。

高熱なのにケロリとしている俺が不思議だったと言う。

その後もたまに俺が「おじちゃんの手」見る時は盲腸だったり、怪我をする前だったりと何かとだったらしい。

だがそのおじちゃんの手が見えたおかげで大事には至らなかったとの事。

すっかり忘れていたが、確かに俺はその「おじちゃんの手」に見覚えがあり、そう言えばと母に。

「おじちゃんの手、うっすらだけど覚えがある。確手の平に二つホクロがあった」

とつたえた。

そのとたん母は目を見開き、そうかそうかと呟き湯飲みを握りしめ泣き出した。

母には双子の兄が居たと言う。

幼い頃に病死したが、それはそれは妹である母を大切にする優しいお兄さんだったとの事。そのお兄さんには手の平に二つホクロがあったそうだ。

きっと妹の子供である俺を護ってくれているのだろうと母は言う。

ちなみに俺の名前にはその母の兄の漢字を一字頂いている。俺はその事を誇りに思っていると母に告げると、母は嬉しそうに微笑んでくれた。

怖い話投稿:ホラーテラー 甘さん  

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