公園の隅っこ、銀杏の木の下…
自分の家の目と鼻の先であるここまで出てくるので精一杯だった。
怖い。外とはこんなにも怖いものだったか。外にいると不安で不安で仕方ない。
家にいれば、なんの不安もない生活ができる。
でも、それじゃダメなんだ。僕は自分を変えたいんだ。
…そう思っても、今の僕にはここまで出て来るので精一杯だ。孤独と恐怖で押し潰されそう…
その時、自分が1人ではないコトに気付いた。
この銀杏の木の下には、先客がいた。見た目は気持ち悪いが、でもどこか可愛らしいヤツだった。
今ここに自分1人ではない、そう思うだけで安心できた。
ミミズと人間、全然違う種族でもなにか共感できる部分があるようで嬉しい気持ちになった。
お前は何を考えているんだろう?
お前は何のために生きて行くんだろう?
…たぶん僕より充実した毎日を送ってるんだろうな…
なんだか勇気をもらった。僕も頑張るよ。
今はまだここまでしか出れないけど、いつかは海外にだって行ってみたいんだ。
お前も…頑張れよ。まぁお前は海外なんかには行かないし興味もないだろうけど。
よし、腹が減ったからとりあえず帰ろう。(笑)
そうして僕は晩ご飯を食べるため土の中へと帰って行った。
怖い話投稿:ホラーテラー 春近さん
作者怖話