中編3
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生き霊 壱

もう7年前のお話です。

結婚してすぐに旦那の実家近くに住み始め、周りには親戚と従兄弟達が住んで居たこともあり仲が良く義父兄弟のお孫さんが家にも遊びに来る程でした。

叔父さんの娘さんは離婚して実家に出戻りで仕事もしていた事もあり時間のある日は私と夫とで子供達の遊び相手になっていました。

その3姉妹の中の小学2年生に成るなっちゃんが得に旦那に懐いており、抱きついたり背中におぶさったり、甘えている所を見ていて離婚してお父さんが居ない分甘えたいのかな位に思っていました。

この時までは・・・・・

夏休みに入った頃、なっちゃん達3姉妹が泊まりに来た日の事です。

遊び疲れた子供達を布団を準備しておいた空き部屋に寝かし付け私達夫婦も自室で寝ていた時の事

、AM2時にセットしていたエアコンのタイマーが切れ暑さで目を覚ましました。

ベッドから見て左側の窓に何かが居る事に気付き

、驚いて月明かりの中疑視してみると、子供がぴょんぴょん跳ねてて、後ろ姿でしたが何故か ’’なっちゃん’’だと思いました。

詳しくは、窓の手前にある幅35センチ位の大人のあたしでも軽く座れるスペースですが高さは120センチ位なのでなっちゃんには狭いのか、屈みながら跳ねている・・・

寝惚けながら不思議に眺めていて、ある事に気付いたんです。引っ越し間もない事もあり、未整理のタンスに入りきれなかった服をいくつかそこに置いていたんですがそれを踏み付けているんです。

振り返えったその顔は満面の笑みでゾッとしました。

何故か見ている事を気付かれてはいけない気がして目を閉じ寝たふりをしていると

「トン」

と床に下りるような音がしたので部屋に戻るのかと思って、少し目を開けてみると私の枕横に立って居てじっと見下ろして居る。

逆光でなっちゃんの顔は暗くて見えません。首を傾げたかと思えば、グッと顔を近づけて来たので思わず目を閉じたその瞬間、部屋のドアが開く音がしたのでびっくりして目を開けて見てみると枕元に居たなっちゃんがドアの前にウサギの縫いぐるみを抱き立って居ました。

ベッドからドアまで距離は7歩程、音も立てずに一瞬で移動なんて不可能なんです。

「なっちゃん?!どうしたの??」

「眠れないの・・・」

音で目を覚ました旦那もどうした??という様子。

「淳おじちゃんと一緒に眠っていい?」

ちょっと困った様子の旦那・・・家のベッドに3人は狭い為その日は又空き部屋へ旦那が寝かしつけてきました。

さっき起きた事は寝惚けてたか夢だったと思う事にし、その日はそのまま寝たんですが翌朝窓の所を見ると畳んで置いていた服がぐちゃぐちゃになっていて、3姉妹のおふざけかもと気にしないようにしていましたが・・・・・・

この日を境になっちゃんが頻繁に枕元に立つようになったんです。

泊まりに来ない日もなので明らかにおかしいとは思っていましたが、何をするわけでも無く只私を見下ろしてじっと立って居るだけなのと昼間会うなっちゃんは笑顔で楽しそうに接して来るので旦那にも黙っていました。

寝不足が続き体調を崩したある日のお昼頃、ソファで横になりうたた寝して居ると急に「キーーーン」と凄い耳鳴りがし始めそれと同時にインターホンが鳴ったので起き上がろうとしたんですが体が動かない。幸い目は動かせたんですが、初めての事で怖くなりこれって金縛り?!と思って居ると背もたれの後の上の方で何かが動いている気配がしました。怖いし見てはいけない気がしたのに気になり、意を決して目をやると・・・・・・!!!!

私は恐ろしさのあまり失神したようで目が覚めたのは仕事から帰って来た旦那に起こされてからです。辺りはすっかり暗くなっていました。

私が見たモノとは”目”でした。

正確には”目だけ”です。顔も無く目だけが宙に浮いており、その目は通常の人間の3倍位でかくギョロギョロ何かを探しているようでした。

我慢の限界に達した私は旦那に今まで起きた事を全て話しました。半信半疑でしたがこのまま続くようなら近くのお寺にでも視て貰おうという事に話は落ち着きました。

すいませんが続きます。

怖い話投稿:ホラーテラー 蘭さん  

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