短編2
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上司KY

会社の上司KYから聞いた話です。

上司KYは不倫をしていました。

その日は、嫁、子とも実家に遊びに行っており、帰宅する必要はありません。

会社帰り不倫相手の彼女と横浜のホテルXXXに入ったらしいのです。

そのホテルXXXの203号室は出るというので有名なホテルです。

その日は金曜日でどの部屋も使用されており、

よりによってその疑惑の部屋203号室しか空きはありません。

性欲優先の色欲の固まり上司KYは、その情報を知っていながら、

所詮は噂話だと自分に言い聞かせ

その203号室を取りました。

もちろん泊まりです。

部屋の様子は別段変わった所もなく、至って普通のラブホテルの一室。

所詮噂だろうと、ほっとし、シャワーも浴びずに事をおっぱじめました。

事が終わり疲れ果て、深い眠りに入りました。

深夜2時を回ったころでしょうか、

なにか顔の左側に触れるものがあります。

彼女は右側に寝ており、向こう側を見る態勢で寝ています。

左側にはなにも無いはずです。

203号室の話をふと思い出しました。

この部屋は数年前、女性が殺されベッドマットの下に死体を遺棄され、

翌日、ベッドメイキングの従業員に発見されたそうです。

発見時には、左腕がベッドマットからはみ出ていたそうです。

無念の思いからか、カップルが泊まりに来ると、ベッドマットの下から

手がでてきて顔を撫で回すとのことです。

暗闇の中、目を凝らして見るとベッドマットではなく、

枕の下からなにか出てきています。

一瞬、目を疑いました。

それは、手でした。その手が顔に触れてきています。

しかも、血が通っていないかのような、ものすごく冷たい手でした。

上司KYは悲鳴を上げ、その手から逃げようとして上体を起こしました。

しかし、なんとその手がついてきます。

気を失いそうになりながら左手で必死にその手を掴んだそうです。

・・・・・・・・・・自分の右手だったそうです。

枕の下に自分の右手を入れて眠ってしまい、

長時間その状態だったので血が通わず冷たくなり

しかも、痺れすぎて右肩から手までの感覚がなくなっていたようです。

当然、腕枕しているので自分の顔に手は触れるでしょうし、

逃げればついてきます。

自分の手ですもん(笑)

上司KYは言ってました。

「あの時は本当に怖かった。悪いことしてたから罰が当たったのかと思った。

 でも、俺の性欲の前には、本物(幽霊)も出てこれなかったようだな。

ガッハッハ!!」

・・・こいつ祟られてしまえばいいのに・・・・

怖い話投稿:ホラーテラー とんこつさん  

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