短編2
  • 表示切替
  • 使い方

ホームレスのSさん1

今から10年以上前、友達と潰れたラブホに行った時の話です。

そこは潰れてからまだ1ヶ月くらいで全然綺麗な状態で一度友達が入った時には部屋にまだテレビが置いてあったという話から男4人でホテルへ向かいました。

確かに中は綺麗だった。

いくつかの部屋にテレビがあるのを確認してから一通り探索しようってことになりました。

そして2階のある部屋に入った時友達が「うぉ!」と声をあげ、何だと見るとベッドの布団がモッコリ膨らんでいた。

俺「・・・」他の奴らも固まったままモッコリを見ていた。

ふとYがベッドに近づき俺達を一度見てからバッ!と布団をめくった途端、「うあぁぁぁぁぁ!!」とオッサンが急に飛び起きてきた。

「ぬぎぁぁぁぁ!!」と俺達は声をあげ俺が先だ!と言わんばかりに部屋から出ようとした。

すると「お、おい!」とそのオッサンの声に一同「エッ?」と振り返る。

「いきなり何だお前らは?幽霊じゃないし俺もビックリしたわ!」と目を見開いて話した。

俺「エッ?な、なんだよ。

マジでビビッたわぁ」と皆で互いのビビリぶりに笑ってしまった。

そのオッサンはホームレスでホテルが潰れた直後からここで寝泊まりしているらしい。

名前はSと名乗った。

ホームレスだが感じのいい人で年は60過ぎくらいで、すっかり落ち着いた俺達はタバコを吸い始めると Sさんが「悪いけど、タバコ1本くれる?」と言ってきた。

俺がタバコをやり、吸うとゴホッと咳き込んだがかなり久しぶりの一服で美味そうに吸っていた。

俺達とSさんが打ち解けるには時間がかからず、3年前に働いていた会社を半ばクビにされ、奥さんは5年前に亡くなった。

子供は娘がいたが結婚して家をでてから会ってない・・という話までするようになった。

俺達は何だかSさんが気に入り、ホテルを出てコンビニで酒やタバコ、弁当を買い込んでまたホテルひ戻り、みんなで軽い宴会みたいなことを始めた。

Sさんは何度もお礼をいいながら酒を飲んでいた。

少ししてSさんが部屋を出て行って戻ってくると別なホームレスを連れて来た。

同じ階の部屋にいたようだ。

もう一人のTさんもいい人で「楽しそうな声がしてるから混ざりたかったけど勇気が出なかった。

」と言っていた。

計6人での宴会が夜中2時まで続いた頃、少し酔ったSさんが「君たちは怖いもの見たさもあってここへ来たんだろ?君たちへのお礼として一つ話してもいいかな?俺が子供の時実際にあった話なんだ。

」俺達は興味をそそられ聞くことにした。

続きます。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ