短編2
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憑依……

幽霊に足がないっていうのはウソです。特に半透明とかって感じでもないので、普通の人と区別がつかないんじゃないかと思われる方がいると思いますが、やっぱり分かるんですよ…………

まず、一番分かりやすいのはありえない場所にありえない形で存在する…ってやつです。

極端な話をすれば宙に浮いていたり、猛スピードで追いかけてくるとかっていうアレです……(笑)

あとはいるはずのないところ、たとえば押し入れの中とか鏡の中とかに現れるっていうのがありがちなパターンですかね…………

やっぱり空気が違うんですよ……。 見えないまでも、「あっ。ここにいるなぁ」みたいな……

空気の密度が濃いというか、そこだけ空気が淀んでいるっていうか………

見たことないという人でも、この空気の淀みを感じる人、結構いるんじゃないですか?

私なんかは、ひどい時には空気の流れが渦のようになって目に見えることがあります。

その空気の渦というか、うねりがだんだん人の形になっていって見えるのが霊?? なのかなぁ…?

あと、霊に取り憑かれるっていいますけど、あれ実感としてわかります。

霊的なものなのかどうか分かりませんが【残留思念】っていうんでしょうか、そういうものが残っていることがあって、それがフッとした隙に頭の中に入り込んでしまう感じ………

ちょっと表現が不謹慎ですが、鬱病の人と長時間話しをしていると、なんとなく気分が伝染することってありますが、あれに近いものですかね………

さほど好きでもない歌のフレーズが頭から離れないことってありますよね。

一度、駅のホームでそういうモノを拾ってしまったことがあります。

「私は死ぬの……、死ななくちゃいけないの……、私は死ぬの……、

 死ぬんだ……、死ぬの……、死ななくちゃいけないの…………………」

もう頭の中がそのフレーズでいっぱいで、他になにも考えられないような状態です。

私は、ソレが入ってきたことがはっきり認識できていたので、まぁ何ということもありませんでしたが、

もし意思の弱い人だったら

「自分は死にたいと思っている。 死を選ばなきゃいけない…」

と思うでしょうね…… アレって…………………

だから、よく事故が頻発する踏切とかがありますが、あれって、霊に悪意があるわけではなくて

霊の残した思いみたいなものに感応してしまった結果、同じことをしてしまうということなんじゃないでしょうか?

たまたま波長があったとか、あるいはもの凄く強い残留思念だとか……

………なんとなく理解できます。

怖い話投稿:ホラーテラー 今は40代…さん  

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