叔「まぁ家にお入り。」
家に入ると温かい料理が待っていた。叔母様の3人の娘逹の手作り料理。
叔「お料理が冷めちゃうから簡単に説明するわね」
娘逹は4つのハンバーグを6等分にしている。
叔「真相は、よくわからないのよ。」
私「えっ……」
叔「同級生の家族が体調を崩したのは神棚のせいで間違いないわ。
神棚にも何種類かあってね。『御神体』を祀る神棚もある。
その場合は、もう神棚というより、御神体を授与した神社の分社みたいなもんなの。
そんな尊い物を玄関に置いて怒りを買った。
私みたいなただの看護師に神様の怒りを収めるのは、ちょっと荷が重すぎるね。」
叔母様は看護師だ。
私はゾッとしていた。
言われて気がついた。
相手は神だったのだから。
叔「あんた逹、今日の出来事は忘れていくから安心しなさい。神様関係は忘れた方がいいし、自然と忘れていくものよ。」
コクリと頷く。
M「あの、這っていた人は何だったんですか?」
叔「それがよくわからないのよね。ただ神棚を狙ってたのは間違いね。
神棚の元の持ち主か、あるいは旦那様の生き霊かしらね。」
私「けど、神棚は叔母様が持ってお寺に向かったのに。
何で車にいる僕達に近づいてきたんですか?」
叔母様即答。
叔「私でも、あんた逹から狙うわよ。普通、弱い方から狙うでしょ?水晶持っててよかったわね。」
理不尽だと思いながら水晶玉を握りしめる。
M「キンモクセイは?」
叔「あれも完全にはわからないけど、分社された神棚を元の神社に戻したかった者の仕業かもしれないね。
匂いで神棚の位置を教え、お寺に導いてくれたんだから。
もちろん、神棚はお寺を通して御神体を授与した神社に返されていくと思うわ。キンモクセイの人の案内でね。
私達が出来るのはここまでよ。
さっ、ご飯にしましょっ」
私とMのせいで、3分の2になったハンバーグ。
叔「今日も招かざる客だったわねぇ」
ハンバーグ好きな叔母様は笑っていた。
ハンバーグは、当時、大学生だった長女の得意料理。味は抜群に美味い。
次女と三女は双子で高校生だった。二人共、飲食店でバイトをしているので料理上手だ。
6人で囲む食卓は楽しい。学校生活、友人の話、6日前、今日の出来事。
食後のデザートにアイスを食べながら長女。
長女「私も怖い話あるよ」
怖い話投稿:ホラーテラー マヨさん
作者怖話