短編2
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開けて

これは友達から聞いた話ー

ある会社で働いているAとBがいた

AとBは高校時代からの知り合いで、仲が良い

ある日Aが出張ということで、出張先の近くのホテルを調べていたところ

「あ、ここのホテルって昔火事あったとこだよね」

とBが言ってきた

Bはいわゆるオカルト好きで、色々な話を知っている

そのホテルは昔、夜中に火事が起こり大勢の人が逃げ遅れて亡くなったという

で、その逃げ遅れた人達の霊が今もさまよっているそうな…

そんな話を聞いたら別のホテルを探そうと思うところだが…オカルト好きのBと仲の良いAはその話に興味津々

「出張ついでに肝試しにでも行ってみるかな」

出張当日、例の火事のあったホテルに泊まったAは嫌な雰囲気を感じていた

ホテル内は改装されたとは言っても壁から木の板がむき出しになっていたり、階段を上るときでもギシギシと嫌な音をたてていたりと、とても普通のホテルとは思えなかった

夜も深まり、何か起きないかと部屋で待ち構えていたAがそろそろ眠くなってきたところ

ドンドンドンドン!

とドアを叩く音が

ついに来たか!?

そう思ったAは

「どなたですかー?」

と聞いてみた が、返事はなかった

返事はなかったがまたドンドンドンドン!とドアを叩く音が

まったく止む様子がない音にさすがにAは不安になり、布団を被った

鳴りやまないドアを叩く音

と、Aは気づいた

ドアを叩く音以外に別の音が混ざっているのを

「…て、…けて、…あけて、…開けて」

開けて!?

確かにドアの向こうにいる何かは「開けて」と言った

いや…開けないでしょ!普通!!

Aは布団を被ったまま耐えていた

「開けて…暑い~…暑いよ~」

ドンドンドンドン!

声と音は夜通し鳴り続き、結局Aは寝れずに会社に帰ることになった

会社に着いてBにその話をした

「マジで出たのか!俺もいきたかったわぁ」

行きたいとか…それどころじゃないって

呆れたAは

「でもドア開けなくて良かった~開けたら幽霊入ってきたんだもんな…」

するとBは

「え?何言ってんの?

火事で逃げ遅れて死んだんだから部屋の中からドア叩いてたんでしょうよ」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん

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