短編1
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マツコ

俺は占いなど信じていないが、彼女は相当の好き者だ。

ある日のこと、二人でとある町に温泉旅行と称して出掛けた。

温泉につかった後、温泉街をぶらぶら歩いていると、占いと銘打った看板が目にとまった。

案の定、彼女は入りたいと訴えてることがまる分かりの瞳で見つめてくる。

「…入るか?」

まぁ、たまには付き合ってやるのも良いだろうし、俺もどんなものか、多少は興味があった。

「うん!」

彼女は嬉しそうに頷く。

先に彼女が入っていくと、「いらっしゃい」と太った中年女性と容易に想像できる低い声が聞こえた。

後に続き、俺も洋館風に仕上げた建物に足を踏み入れた。

マツコデックス(に似ている)だ。

第一印象でそう思った瞬間だった。

マツコの絶叫が耳をつん裂く。

俺は思わずたじろいだ。

「悪魔め!去れぃ!!出てけ!今すぐ出ていけ!!」

何も悪いことはしていない。

だが、その迫力に圧され思わず店を飛び出した。

彼女も同じだった。

今となっては後の祭だが、一言だけ文句が言えるなら、せめて『悪魔憑き』にしてくれ。

俺は悪魔じゃあない。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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