中編3
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かごめかごめ

*所謂、恐怖体験談ではないです。

「かごめかごめ」

勿論、皆さん知っていますよね?

節を付けて歌うこともできると思う。

子供の頃に友達と輪になって歌った記憶が、私にもあります。

でもある時ふと思ったんですが…、

私なんで歌えるんだろう?

遊んでいるうちに自然と覚えた?

「かごめかごめ」以外にも童謡と呼ばれるものはあるけど、

実際歌ってみると1番はすんなり出ても、

2番、3番ともなれば記憶がかなり怪しくなる。

童謡自体が口頭継承なんだろうから、

まぁそう…覚束なくなるのわからなくはないんだけど。

どうも腑に落ちないなぁというか、

考え始めるとどことなく冷たい感覚になるんですよね…。

あれ?そう言えば誰に教わったんだっけ。

そう言えば教えた記憶もないのに、

うちの子もいつの間にか知ってたなぁ。

そんな風にふと思った方、いらっしゃいませんか?

そして、それをよくよく紐解いてみようとすると、

なんだか説明のつかない、ゾクっとする感覚が微かにある。

このこと、考えていいんだっけ?

駄目なんだっけ?

……なんで、駄目なんだっけ…。

………と、言うようなことをある時、

知り合いの民俗学者の教授にお話した。

教授曰く、

 教授「それは呪い歌だからじゃないかな。」

え、かごめかごめは呪い歌ですか?

 教授「どういう呪いか、意図かはわからなくても、

   口頭で連綿と受け継がれるよう巧妙にかけられた、

   一種のまじないだと僕は考える。

   絶対に途切れてはいけないもの、

   途絶えさせたくないものの根源を煮詰めて濃縮して、

   わらべ歌と言う形に簡略化…というより研ぎ澄ませて、

   何かを後世に残そうという意志が、昔あったんじゃないかな。」

でも、輪廻を決して絶えさせまいという怨念みたいなものなら、

それに纏わる悪い障りも一緒に伝承されるとか、

途絶えさせたり、ある種の禁を犯した場合の報いも語られてこなければ、

遵守させるに力不足ではないですか?

例えば「リング」って、恐怖から逃れたいと思う心そのものを逆手に取ることで、

目的遂行の精度を上げているわけですよね。

 教授「呪いというと邪悪で禍々しい想像をしがちだけど、

   強く幸福を願ったり、繁栄を祈ったりすることも、根本的には呪い。

   願をかけたものを持ち歩く「お守り」なんかが良い例でしょう。

   本来、まじないと言う物は、術者の思惑を明確にしないことが、

   成功の絶対条件なんだ。

   まじないの方法自体に禍々しさや願いの形があからさまに見て取れたら、

   恐怖に駆られて尻込みする者があるでしょうし、

   人の幸福を素直に喜ばない輩は、幸福の願を故意に邪魔するでしょうしね」

本来の目的も、呪詛の方法も誤魔化しながら、

でも、確実に残していくもの?

じゃあ私が「かごめかごめ」について感じた疑問を掘り下げようとした時、

漠然と感じた嘘寒さと言うかはなんなんでしょう。

 教授「探らせまいと言う意志じゃないの。

    だって僕は腐っても学者で伝承の類には明るいほうだけども、

    今話してて感じるゾクっとする感覚は、説明がつかないもの。」

じゃあ、嗚呼なんかゾクゾクしてきたから、

このこと考えるのもうヤメヤメっ、て感覚は…。

 教授「それが、呪いというもの」

正しいとか間違いとか解釈の問題じゃなく、

実に興味深いお話が伺えました。

試しに(…と言うのもあれですが)、実際知人の数人にこの話をしました。

「かごめかごめ」知ってる?

知ってるよね?

小さい頃から知ってるよね?

……それ、誰に教わったの?

一拍ほどしてから、全員が全員似たような表情になってました。

ゾクッとするには、するだけの、

何かしらがあるってことなのかなぁ。

よければお友達にも問いかけてみてください。

怖い話投稿:ホラーテラー 朱さん  

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