短編2
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同級生

怖い話ではないですが・・・

高校の同級生にカンの鋭い子がいた。

電話をかけようと思うとその子から電話が来て、

「かけようと思ってたでしょ?」と言うのがいつもだった。

それは私だけでなく、仲のいい友人みんなそうだった。

当時本当に当たり前だったから気にならなかったが、

よく考えたらすごいと思う。

仲良しグループで卒業旅行に行った時のこと。

9人の大所帯で、本当なら和室の大部屋を希望していたのだが、

初日だけそこが空いていなくて、3部屋に分かれた。

フロントでキーをもらって、それぞれの部屋割り名簿を書いていると、

「私、この部屋嫌」

とその子が鍵を突っ返してきた。

部屋割りを変更してそれぞれ部屋に入る。

すると、

その子が嫌がった部屋はトイレの電気が付かなくて、夜お風呂のお湯も出なかった。

その部屋に変わった友人達は散々だったと言っていた。

彼女と旅行に行くと高確率でそういうことがあって、

実は故障引き当て体質なんじゃないかと思った。

一番すごいなと今でも思い出す事がある。

ちょっと田舎に住んでいる、帰りの足が電車の子に、

「今すぐ電車乗って帰れ」

と、突然駅に引っ張って行って、ちょうどあった電車に乗せた事があった。

今日は何が起こるんだ、とみんなで笑っていたが、

その次の電車から、踏み切りの何かが故障したとかで翌朝まで電車が動かなくなってしまった。

私たちはあいつが壊したんじゃね、なんて笑っていたのだが、

帰った子が翌日電話をしてきて、

「帰ったら夜中にお父さんが倒れて、救急車よんだの。お母さんは夜勤だったし、もし私が帰れなかったらお父さん・・・」

帰らせてもらった子は今でも彼女に感謝しているという。

カンの鋭い子にどうして分かるのか聞いてみたことがある。

大半は偶然だと笑っていが、

「・・・たまにその場面のイメージが頭に湧いたりする」

とちょっと神妙な顔で彼女は答えた。

テストのヤマ勘とか、競馬の予想とかは当たらないらしく、とても残念がっていた。

ここ数年は環境の変化もあり年賀状程度の付き合いだが、

ここに書いたら電話がくるんじゃないかと思っている。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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