短編2
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ベッドの下に

少し長いが俺の話を聞いてほしい。

俺は世田谷のアパートに一人暮らしの会社員。

実は…怖い話がダメなんだが、深夜になんとなく眠れなくて、『都市伝説特集』っていう番組を見てしまった。

その中の『ベッドの下の男』って話がどうも忘れられなくて、自分の部屋のベッドの下を調べてみたくなったんだよ。

で、びくびくしながらベッドの下を見たらさ…

いるんだよ!男が!

やばいと思って、部屋から出ようとしたら

「ま、待って」

ってその男が言ってきて思わず振り返っちゃった訳。

そしたら、その男、隣の部屋の山田さんなんだよね。気の弱い男の人で夜にいつも奥さんに怒られてるのが聞こえてきてた。

ベッドの下から出てきた山田さんは至る所に怪我をしており、目から大粒の涙を流していた。

「何やってるんですか!?」

「…実は…」

とりあえず危険性はないと思い、話を聞いてみると

毎夜毎夜聞こえてくる山田さんを罵倒しているのは奥さんではなく、山田さんにとり憑く、悪霊なんだそうで、お祓いを何度もしたが効果は皆無だったそうだ。

最近になって力を増した悪霊は山田さんを傷付けるようになり、とうとう殺されかけたので、死に物狂いで俺の部屋のベランダに逃げ込み、窓の鍵が開いていたのでベッドの下に隠れた、らしい。

俄に信じ難い話だったが、身体の傷の異常さと山田さんの必死さ、なにより、確かに奥さんの姿を休日にすら見かけたことがないことから信じることにした。

それから、警察にも頼れないので俺と山田さんの奇妙な共同生活が始まった。山田さんは相変わらずベッドの下で過ごしていたが、何か不思議な絆ができた。

そうして数ヶ月が経った頃だった。

帰ってくると部屋の扉がこじ開けられており、急いで部屋に入ると殺気をまとった太った女が立っていた。その向こうには怯えきった山田さん。

女が振り返る。

鬼のような形相というより、あれは…鬼だ。この世の者ではない。

引き起こる恐怖から、判断力を失った俺は近くにあった包丁を掴み、女に向かって走り出した…。

以上が俺が最近まで刑務所にいた理由だ。

ここで君達にお願いがある。

ベッドの下を調べてみてくれないか?

そこに復讐に怯える男がいたら…

すぐに教えてくれ。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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