中編3
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洞穴

自分の祖父母の家はフェリーでなきゃ渡れない島にあるんだけどさ、そこの島、戦争中は兵隊さんを泊めたり、兵隊さん達が実験?したりする施設が作られたんだって。

特に大掛かりな施設でもなくて島の人に嫌がらせなんかがあるわけでもなく、結構気さくな感じで、すれ違えば挨拶と軽い立ち話とかするような感じだったらしい。

まぁ話すっていっても向こうは兵隊さん。

馴れ馴れしく話すわけじゃなく声をかけてくれたり、ばあちゃんは元気か?など気にかけてくれてたらしい。

まぁようするに、俺達が想像するような権力翳した偉そうな軍人は居なかったらしいってこと。

俺のばあちゃん、もうすぐ90なんだけどまだまだ元気でさ、遊びに帰るといろんな話ししてくれんのよ。

戦時中、日本にどんどん物資がなくなっていく中でも離島に住むばあちゃん達は特に不自由はしなかったらしい。

金属の類はみんな持って行かれてもなんとかなってたんだって。

もちろんそんな小さな離島、長引く戦争でも空襲なんて1度もなかったそうだ。

そんなある日、島民がみんな広場に集められたらしい。

兵隊さんの話によると、本土の戦力が下がり自分達も第一線に立たねばならない。これまで世話になったこととても感謝している、と。

それから2日後、兵隊は皆船に乗って行ってしまったらしい。

兵隊さんが皆いなくなり、島には年寄り、女、子供と病気の人間合わせて20数人しかいなくなってしまった。

活気もなくなりしばらくぼんやりと過ごしてたんだって。

そんなある日、島の上空に1機の飛行機が現れた。

しばらくグルグルと旋回している飛行機に皆気付き、『あの時の兵隊さんだろう』と、手や布切れを振った。

しばらくして飛行機は去って行き、皆心の中で兵隊さんの無事を祈った。

それから1週間程立ったある日、島中が朝から騒がしかった。

何人かが同じ夢を見たらしい。

話をしていると、私も、私も、と気付けばほぼ全員同じ夢を見ていた。

子供だったばあちゃんは覚えてなかったらしいけど。

その夢ってのが島にいたそれぞれ仲のよかった兵隊さんが現れて今夜遊びにおいでって言うらしい。

どこへ?って聞くと自分達の施設って言う。

それだけ。

ばあちゃんたちが住んでたとことちょうど島の反対側に施設はあって行ったことある人間は僅かだった。

みんなで行ってみようか、という話になってその日は6時に広場に集合ってことにして解散したらしい。

辺りが夕焼けに包まれるころ、皆広場に集まり、施設にむかって歩き始めた。

しばらく山道を歩き、山の頂上に付き、施設が下のほうに見えて来た頃、遠くのそらに星とは違うキラキラしたものが見えた。

なんだあれ?みたいに皆で話してるうちにそれは3機の飛行機だということに気がついた。

それはみるみる近づいて来て自分達のいる山の麓、施設のあたりに突っ込んだ。

辺りは一瞬パッと明るくなり、耳がおかしくなりそうな轟音が響いた。

皆、いきなりの事に呆気にとられ、固まっていると一人がこんな事を言い出した。

「兵隊さん、道連れにしたかったのかな」

と。

続きあるんで、また書きます。

すみません。

怖い話投稿:ホラーテラー 都心の田舎者さん  

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