長編10
  • 表示切替
  • 使い方

幽霊屋敷-ハンター誕生-

こんばんは。

都市伝説ハンターです。

今回は都市伝説ハンターになるきっかけの話です。

実話です。

当時の俺は彼女と別れたばかりでした。そんな俺を仲間が励ます為か、一緒に心霊スポットに行かないか?と誘ってきました。(俺がオカルト好きなので)

普段怖がって行きたがらない奴等なんですが、その日は俄然行く気満々。

もしかしてこいつら俺をリンチするために…等思いましたが、そこは仲間を信じて車に乗ることに。

因みにメンバーは俺、B、Cの三人。

車を走らせて10分位走り一度飲み物と煙草を買いにコンビニに寄りました。

それぞれ買いたい物を買って車内に戻って少し話していました。

俺「あれそう言えば、俺今から行く所知らないんだけど…」

B「言ってなかったっけ?」

俺「うん、聞いてない」

C「あそこだよ、M町の幽霊屋敷。A(俺)が前から行きたがってた場所(笑)」

俺は馬鹿だと思いました。その幽霊屋敷は俺が前から絶対に行きたくないと言っていた所なんですが、仲間が言うにはたまには俺のびびった姿を見たいから幽霊屋敷に連れて行くとか。

仲間は車をまた走らせました。どこかウキウキしてるようにも見えました。怖がりなくせに二人は平気なのか聞いた所、俺等は見えなければ感じる事もない、だから信じない。だそうです。

俺は感じる程度なんですが、俺の親父は相当らしく親父に心霊スポットに行く事を言わないで帰ってもすぐばれてました。なんか変なもん連れてくなとか言われて。

まあ車内はワイワイ楽しく騒いでました。幽霊屋敷につくまでは。幽霊屋敷につくとその雰囲気に皆沈黙。

でもせっかく来たので行く事に。Bがこの日の為に用意した懐中電灯を皆持ちCはビデオカメラを回しながら三人で幽霊屋敷に歩いて近付いて行きました。

外観は普通の家がボロい感じ何ですがここは色々な噂がありました。

1、一家惨殺事件があった。

2、ここに住んだ住人に不幸が訪れる。

3、ここの幽霊屋敷で女の子の霊を見ると必ず死ぬ。

等々他にも色々ありますが、一番有名なのはこの三つ位ですかね。3の噂は一番信憑性が高いです。実際に先輩の一人が女の子の霊を見たとか言っていたのをその先輩から俺が聞いて一週間後に先輩は原因不明の謎の死を遂げていたので。

だから本当に嫌だったんです来るのが。

俺達は家に入る前に家の周りを調べましたが、家の周りには何もなく家の中に潜入する事になりました。

でも先輩の件もあったので入るか皆迷いました。でも結局入る事になりいざ潜入。

家の中はさほど汚くはないんですが、やはり不気味な雰囲気で皆に少し緊張感が張りつめ始めました。

取り敢えず一階の調査を終えて、二階に上がる事に。

二階に行くと部屋が三つあり、取り敢えず皆で一つずつ調べることに。

まずは一部屋目、ドアを開けると下は畳みで和室な感じでした。

部屋には何もなく殺風景。

B「うわっ!!」

Bの驚いた声に皆ビクッとなりBにどうした?と聞くとBは指をさして

B「あ、あそこ」

指の先を見ると気味の悪い日本人形が一体ポツンと置いてありました。

人形は俺達を睨んでる様にも見えました。

気味が悪いので部屋を後にして次の部屋に。

二つ目の部屋は洋室で辺りを見渡しても特にこれと言って何もなかったので、部屋を後にして、次の三つ目の部屋のドアノブに手をかけた時、寒気と鳥肌が立ち嫌な予感が頭を駆け巡りました。

10秒位停止していました。

俺「ここもはいんなきゃだめ?」

俺は少し涙目になりながら帰りたいアピールを二人にしました。

B「ここまで来たんだし見てこう」

その言葉にCは頷いたので意を決して部屋に入りました。

部屋に入り辺りを見渡しているとBがまた驚き、どうした?って聞くとBは何も言わず黙って指をさしていました。

指の先を見るとこたつがあり、そこに一人の女の子が。

こんな時間にありえない。俺はそう思い早く帰ろうと言おうとした時Cが女の子に近付いて話しかけました。

Cは子供好きでしたので心配したみたいでした。

C「ねえ、なんでここにいるの?」

女の子「……。」

C「んーじゃあ名前は?お父さんとお母さんは?」

女の子「…いない」

C「一人?」

女の子「…うん」

B「何やってんだよ!!早くここでるぞ!!」

俺「こんな時間、こんな所に女の子がいるなんておかしいだろ!?」

C「いやそうだけど、もしかしたら迷い込んで出れなくなったのかも知れないだろ?もしそうだとしたらおいてけないだろ!?」

確かにそれもそうだが、あまりにおかしい。俺はそう思いとりあえず親父に電話をしようとしたが圏外…

俺「おいっ!とりあえず俺の親父に電話して、ここに来て貰おう。ここ圏外だから一回皆で外出るぞ?」

Bは黙って頷いた。

C「よしじゃあ、お兄ちゃん達と一緒にお外行こっか?」

女の子「…嫌だ」

C「ちょっとだけだから、ねっ?」

女の子「…嫌だ」

俺は絶対おかしいと思いました。でもこの時は焦りとか恐怖で噂の事は頭にありませんでした。

C「ん〜じゃあBとA(俺)先に外に行って電話しておいてくれ。後から行くから。」

俺「はっ!?お前一人置いていけるわけないだろ!!」

C「そうだけど、女の子一人置いていく訳にもいかないだろ?」

B「よし、俺とCが残る。A、お前電話してなんかあった時の為に車のエンジンかけてまってろ。」

Bの声は震えていた。

俺「大丈夫か?」

Bは黙って頷いた。俺は急いで車に向かいエンジンをかけて、警察に電話をするまえに親父に電話した。

そして事情を説明すると親父はいきなり怒鳴り始めた。

親父「糞馬鹿野郎!!取り敢えず急いで行くけど時間がかかる。もしなにかあってヤバくなったら○○寺に行け!いいな!?むしろ皆連れて今すぐいけ!!」

親父はそう言うと電話切った。その時!!

パリーン!!

いきなり窓ガラスが割れる音が闇夜に響き渡った。

パリーン!!

闇夜の沈黙を切り裂くガラスの割れたような音、そしてその直後ドサッと何かが地面に落ちた音がした。

俺は急いで車から降りて、幽霊屋敷に近付いた。

地面に散らばる無数のガラスの破片、その中にBがいた。上を見ると先程いた部屋と思われる部屋の窓ガラスが割れている。俺は急いでBに近付いて声をかけた。

俺「大丈夫か!?何かあったのか?Cはどうした!?」

B「Cがっ…Cがっ…!!」

Bの言葉を聞いて俺は急いで幽霊屋敷に入りCの所へ向かった。

Cの居る部屋のドアを開けようとするもドアが開かない。

ガチャガチャガチャガチャ!!

俺「なんだよっこれ…さっきは開いたのに…」

俺は後ろに少し下がりドアを思い切り蹴り破った。

部屋に入るとCがさっきの女の子に引きずられて押し入れの中に引きずり込まれそうになっていた。

C「た、助けてくれー!!」

俺は急いでCの所に行きCの手首を掴んで、踏ん張りながら思い切り引っ張った。が、しかしかなりの力で引っ張られていて中々思うように、こちらに引っ張れない。女の子はニヤニヤ笑いながらCの足を掴んで引っ張っている。

俺「いい加減…離しやがれ…」

俺は力んだように言った。すると女の子は手を離した。引っ張っていた力の勢いで俺は尻餅をついた。そして急いでCを立たせて部屋から逃げようとした時、後ろから女の子の狂ったような笑い声が聞こえた。

後ろを振り向くと女の子は5メートル位の距離に立っていて、女の子の顔は別人の様に変わっていた。鬼にも般若にも見える形相。

俺とCは急いで部屋を出た。後ろは振り向かずに逃げた。逃げてる間生きてる心地がしなかった。

幽霊屋敷を出るとBが車の運転席に座って窓から顔を出してこっちを見て言った。

B「おいっ!!早くしろ!!後ろから来てる!!」

その言葉を聞いて全力で車に向かい、急いで乗り込んだ。俺は助手席、Cは後部座席に。

皆乗り込んだのを確認してBは車を走らせた。

俺は親父に電話をした。今から○○寺に行くって言ったら、親父も○○寺に向かうって言ってた。

電話を切りBに行き先告げた。

B「○○寺!?30分はかかるぞ!?」

俺「いいから行け!!死にたくないなら。」

C「おいっ!!あいつ追い掛けてきてるぞ!!」

後ろを見るとあの女の子は追いかけてきていた。

俺「B!スピードあげろ!!追い付かれるぞ!!」

B「わかってるって!!」

俺達は必死で逃げたが後10分位で○○寺につくという時、すぐ後ろまで女の子は来ていた。

白目を向いて目からは血が流れ、眉間にしわを寄せて歯は剥き出し。俺はもうだめだと思って目を瞑ってうつ向いて祈った。

消えろ消えろ消えろ消えろ…

そしてまた後ろを見ると女の子は消えていた。

俺「あいつが追い掛けて来てない……おい!!女の子が居なくなってんぞ!」

B、C「……ふぅ〜」

逃げ切ったのか?いやでもここまで追い掛けてすんなり諦めるもんなのか?と俺は思った。口には出さなかったが、多分皆そう思っていたと思う。

B「よし、今の内に急いで○○寺に行くぞ」

消えて安心はした。けどいきなり消えるなんて…

不安を抱えたまま車は更に加速した。

○○寺につくと石の階段の脇に住職らしき人がたっていた。住職はかなり険しい顔をしていた。

ああ…怒られるんだろうな

俺はそう思った。

車をとめて車を降りると住職が叫んだ。

住職「何やってる!!早くこっちに来い!!」

俺達は顔を見合わせ、小走りで住職の所に向かおうとした時、後ろから声が聞こえた。

女の子「逃がさないよ…」

その声に驚き振り向いた。車の屋根の上に四つん這いの格好の女の子がいた。

俺達は叫びながら住職の元へ全力で走った。走っている間女の子の狂ったような笑い声が後ろから聞こえる。

後もう少し…後もう少し…

俺達は助かったと思った。

しかし後もう少しの所でBが転けてしまった。

俺「何してんだ!?早くしろ!!」

俺はBに駆け寄りBに腕を掴んで必死に住職の元へ走った。

直ぐ後ろで女の子の笑い声が聞こえる…もうだめだ。と思ったその時、住職とCが俺とBの腕をそれぞれ掴んで引っ張った。

俺とBは膝をついてゼェゼェ息をきらせなが後ろを振り向くと、女の子が立っていた。こちらに来れないのか悔しそうに俺達を睨んでいた。

住職「A君だろ?お前の親父からは電話で話しは聞いている。取り合えずついてきなさい。全く何かと思えばこんなやっかいな…ブツブツ」

住職はブツブツ言いながら階段を登っていった。俺達も後に続いた。後ろを振り向くとまだあいつは立って俺達を睨んでいた。

住職「何してる、早く来い。」

そして本堂に入り俺達は座らされた。そして何故か俺の親父が先に来て待っていたのだ。胡座をかいて腕を組んで、うつ向いたまま鼾をかいて寝ていた。

俺は親父を起こそうとしたが住職にやめとけと言われ起こすのをやめた。

そして住職が話始めた。

住職「お前達はあの家に何でいったんだ?」

俺、B、C「……。」

住職「ふぅ〜…黙ってちゃ解んないだろ?」

因みに後で聞いた話だが住職と言っても俺の親父と同い年らしい。まあ50位。

住職は続けて話した。

住職「お前達が行った幽霊屋敷と呼ばれる所で昔何があったかわかるか?」

俺「一家惨殺…があったって噂になってます。」

住職「一家ではない、さっきの女の子が自分の親に殺されたんだ。殺したのは父親、母親は自分の娘が鬱陶しかったのか日々女の子が虐待されても見てみぬふりだったらしい。そんな所に遊び半分で行ったらどうなるかぐらいわかるだろ?」

俺、B、C「…すいません」

住職「特にA君は親父と一緒で霊媒体質なんだから気を付けないと。まっ何にせよ今後そういう事をしないように。わかったか?取り合えず、あの霊は私が何とかするから安心しなさい」

俺、B、C「…はい、すいませんでした。」

この後、親父にかなりどやされた事は言うまでもない。俺達はその日○○寺に泊めさせられた。なんか終わるまで部屋を出るなと言われた。

俺は心の中であの女の子に謝った。そして自分の無力さを思い知らされた。

後日住職から俺に電話があり来てほしいと言われ住職の元へ向かった。

○○寺につくと住職が出迎えてくれた。俺はあの事件以来見える様になってしまい、どうしたらいいか相談するつもりだった。

住職「あれからどうだ?」

俺は見える様になってしまい憑かれたりして困っている事を話した。すると住職は自分の所で少し修行しないかと言ってきた。

俺「それって坊さんになれって事すか?(笑)」

住職「いやA君は親父以上だからね、自分で祓える様になっておいた方が良いって事さ」

俺「なるほど。あの…気になってたんですけど俺の親父とどういう関係なんですか?」

住職が言うには俺の親父とは同級生らしく親父は、住職の親父さんによくお世話になってたらしい。そんなこんなで俺は住職に色々学んだ。

その後、驚いた事にBも見える体質になってしまったらしい。むしろ俺は、あの時部屋で何があったの気になっていたが、今でも聞けずじまい。

ここまでだいぶ省略して話したが、これは俺が都市伝説ハンターになるきっかけの話。俺はこれをきっかけに地元の心霊スポットの噂や都市伝説を調べるようになった。

理由は遊びとかではなく、今後俺達みたいな思いをして欲しくないから。

そして成仏出来ない霊を成仏させてやりたいから。

だいぶ省略して話したから、あっさりしてるが現実はそんな物である。俺はただ運が良かっただけ。だから遊び半分で心霊スポットに行かないで欲しい。

今度は都市伝説ハンターになって初めに調査し体験した時の話しをしたいと思います。

ありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 都市伝説ハンターさん  

Concrete
コメント怖い
00
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ