中編3
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お寺

昔の話です。小学校1年の頃の話です。

今は、九州に住んでるのですが、その頃奈良県に住んでました。親の仕事の関係です。

住んでた所は、どちらかといえば、都会だったと思うのですが、近くの駅から2駅位で大阪に行ける位のとこに住んでたような気がします。(正確な住所も何となく覚えているのですが・・)

自分が通った小学校の右には幼稚園があり、左手には大きな?(その頃はそう感じました。)山がありました。

その山の中にあるお寺の話です。小さい頃にそこから引っ越したのですが、未だに何故かずっと覚えているんです。

その頃、学校でそのお寺の話がやたらと話題にあがっていました。無人寺になってるそうですが、トイレに人の指があったやら、首が無いお坊さんが出てきたなど・・。

そんなことがあるかと、仲の良い友人らとよく話をしていたのですが、小学校1年生の僕らには多分たまらない話だったんだと思います。

ある日、その頃一番やんちゃだったK君が学校が終わったら行ってみようと言い出しました。

多分、その頃そのお寺に行ったことがあるのは、上級生ばかりで行ったらヒーローになれる気がして誰も反対せず、早速その日の放課後仲間内で向かうことにしました。

よく覚えていないのですが、6人位のグループで放課後その場所に向かいました。

僕は、結構な山奥にその場所があり、お寺もかなり古くなったものを想像していたのですが、学校脇の道路からそれほどたたない場所に意外と綺麗なお寺があったので少し拍子抜けしてしまいました。

綺麗なのに、明らかな無人寺なのが少し驚きでした。僕が、気になったのはお寺の左手にお墓がずっと続いてたことぐらいでした。

一緒に行った仲間たちは同じように僕と同じ感情をもったのでしょう。まだ周りが明るいこともあり、お寺に土足で入り込み噂があるトイレなど色んなとこを探索していました。

そんな中、僕は左手のお墓とお寺に土足で入り込む友人の行為に罰が当たらないか気になってお寺の正面でずっとみんなを見てました。

そのうち、友人達が調子に乗って観音様?分からないのですが、触ったらいけないものも遊び道具にしているのを見て子供ながらに罪悪感が出てきました。

ふと、横を見るといつも目立たないMが僕の横に立ってました。

僕以外に、お寺に入っていないのはMだけでした。

T君(僕のこと)多分、やばいよ。

俺 何が?

M 声が聞こえる。

俺 はっ?

M 聞いて見て・・

やたらと真剣なので、黙っていたら・・。

小さく人の声が聞こえてくるんです。

遠くから・・

最初は、なんだか分からなかったのですが、途中からはっきりわかりました。お経です。

しかも、お寺の奥から明らかにこちらに近づいてきます。

子供心に、これはやばいと思いKに声を掛けました。

K帰ろう!声が聞こえる。

Kは、全く信じなかったのですが、僕が余りにもしつこかったので本人が耳をすましました。

K 聞こえる・・

僕は、もう見えないけどお寺の正面からガンガン声が聞こえてました。

結局、Kが全員をまとめて家に帰った記憶があります。

その後すぐ引っ越した僕は、友人たちがどーなったか分かりません。

小さい頃の経験です。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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