怖くないが読んでもらえりゃ幸いだと思い投下します。これは私が体験した話です。
ある日夕立後の少し蒸し暑い時間に私(女。大学生)は原付を走らせていた。オイル交換が近いので任せてあるバイク屋に行こうとして、だ。私は近道のために細い、車が一台通れるくらいの幅の道を選び、法廷速度を守り、鼻歌交じりで進んでいた。
突然、道の出口(大通りへの出口)あたりに女が現れる。リクルートスーツ着た女だが髪は腰あたりまであり、頭からは血を流していた。明らかに生きてはいないだろう雰囲気をプンプンさせている。
私「(無視無視)」
友人(男で年上。見た目ヤクザ。霊感あり)から教わった対処法で全力無視すると走り抜ける。追いかけてはこないらしいので大通りに出るとそのままバイク屋へ行こうとした。
だが突然原付が何かに捕まったように動きを止め、私は派手に転んだ。幸い車は来ていなかったし歩道側に転がったのと受け身をとれたのでかすり傷で済んだが何が起こったか判らず、とりあえず原付を起こし、移動。キーを抜いてエンジンを止めると原因を探した。
私「うげっ!!」
長い髪が大量にタイヤ(前後輪共)に巻き付いていた。しかもぎっちぎちに。
触るのも嫌だったのでバイク屋に連絡し、取りに来て貰うとバイク屋の兄ちゃんも苦笑い。
バ「変なところがないか分解して検査しましょうか?」
私「お願いします」
原付を預け、歩いて家へ向かう。家までは五キロほどなのだが歩いていると携帯が鳴り、出た。電話の相手は対処法を教えてくれた友人だ。
私「何か?」
友「お前何しとんねん!」
私「ちょっ、突然怒鳴んなし」
友「とやかく言うんは後にしたる!とりあえずコンビニか店かに入ってすぐ日本酒飲め!!」
私「日本酒苦手ー」
友「フザケとる場合やないわ!はよせい!!」
私「さーせん」
私は言われた通りに店に入り、日本酒を注文した。友人に居場所を伝え、冷やの日本酒をちみちみ呑んでいるとすぐに友人が来る。
来ると同時に頭に拳骨落とされた。
私「脳細胞が死滅する」
友「死滅しろ。ドアホ」
私「兄やんの言うとおりに無視したんやけど?」
友「あれは無視せんと引き返せ」
私「私そんなん判断できへんもん」
友「根性でせい」
私「無茶ぶりやめれ。でアレは何?」
友「あそこでひき殺された奴。犯人は捕まっとる」
私「留まる理由が判らん」
友「俺に聞くな、奴らの都合なんて俺の知ったことやない。帰るで」
私「あいよー」
残りの日本酒を飲み干し、会計をすると友人の車で家へ帰った。
後日、バイク屋の兄ちゃんから電話があり、エンジンの中?にまで髪が詰まっていたらしい。
勿論気味が悪かったのでエンジン、タイヤは取り替えて貰った。
今もその原付で元気に走っている。だがあれから私はあの道を走らなくなった。
お目汚し、失礼いたしました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話