中編4
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睨む霊

私は造園関係の仕事をしていています。

今回は、いつも通りの作業中に起こった出来事です。

歩道に生えている植木は皆さん見た事ありますよね?

その植木の中に生えている雑草を手作業で抜いて居た時の事です。

酷いぐらいに雑草がある場合は、それを抜いていくと、結構下の方はスカスカになっていき、

車道側が見えるようになるんです。

私はしゃがみこんだ状態でその作業を黙々とこなしていると、隙間から見えた車道に女の子が立って居ました。

何度も何度も車が女の子を通過して行きます。

引かれて死んだんかなぁ…?

なんて思いながらまた作業を続けていると、

歩道を小学生達が通るようになりました。

学校の終わる時間になっていたのです。

この時、雑草をあらかた抜き終わった箇所は抜いたゴミなどを風力で車道側に寄せて、歩道をキレイにする為のブロアーという物も私が使って居たのですが、そのブロアーを使うと大量の埃が舞うので、人が通り過ぎるまで待たないといけません。

ただ、小学生の列は長くて、使える機会が見えて来ませんでした。

当分ブロアーが使え無いなら、もう少し先まで雑草を抜こうか…

と考えて居ました。

が、私はある小学生低学年の女の子に目がいきました。

女の子は車道に居る女の子を見詰めているようでした。

じっと立って、

やがて小学生達の列が無くなっても立って居ました。

私は、人が居なくなったのを良い事に、ブロアーを吹きながら段々とその子に近づきます。

怖がられても嫌なので、私は作業員だよー

怖く無いよーと、アピールしながら。

しかし、その女の子は車道の女の子以外何も映して居ない様子で、私が話し掛けると肩を大きく揺らしました。

肩を揺らした女の子は、一瞬ビックリした顔で私を見て来ましたが、すぐに車道の女の子を見詰めてしまいました。

私は笑顔で聞きました。

「何しとん?皆もう帰ってもたで?帰らんの?」

すると女の子は、視線も合わさずに答えました。

「見てんねん。あの子が見ててって言うから。」

あの子とは車道の子の事です。

「あの子と、遊んだらパパやママにもう会えんくなるよ。」

私は少し怖い顔をして言いました。

女の子は、ビックリした顔をして私を見ました。

「何で?」

「あの子はもう死んどるからな、一緒に遊ぼ言われても遊んだらあかんねんで。君はパパやママやお友達に会えんくなってもいいんか?」

女の子は首を大きく振り、泣きそうな顔をしていました。

私も、私の娘も、

幼い時から霊達を見て来た分、この女の子も私達と同じなんだって思ったのです。

ここまで露骨に言わなくても良かったのでは?と後から思いましたが、見詰めていたり、霊の言葉が聞き取れる時点で憑かれている証拠。

きっとこのままなら、この女の子は何も知らないまま、あっちに連れてかれるなぁと思ったのです。

私は、今から帰るまで女の子が話し掛けて来ても、見えても、無視しな!と言い、持って居た塩水を少し飲ませて、見送りました。

大きなランドセルを背負った女の子は、俯きながら帰って行きました。

車道を目の端で見ると相変わらず女の子は立って居ます。

良かった。

あの子に着いていかんで…

と一安心し、私は作業に戻りました。

作業を開始してからすぐに異変は起こりました。

雑草を抜く、ブロアーを吹きの繰り返しの作業なので、何度も何度も車道が目に入ります。

距離も大分進み、もうすぐラストスパートのはず。

景色も変わって居るのに、1つだけ変わらない景色。

あの車道の女の子が、相変わらず私と同じペースで進んできていました。

あれ、何だろ。

私が今度憑かれた?

でも、今までの経験上憑かれた感じはしなかったので、

憑かれる手前だろうか…何だろ…

と違和感ばかりの中作業を続けていました。

そしてラストスパートの雑草むしりをする為に屈むと、反対側から顔が…

私と同じように屈んで睨んでくる、あの車道の霊でした。

暑すぎてかいた大量の汗が全て氷水になった瞬間でした。

私はいざっていう時の為に気休めではありますが、常に持って居た塩水を急いで口に含み、少し飲んでまた作業に戻りました。

その時には他の作業員は自分の仕事を終え、ブロアーをしてくれる人が居たので一人では無かったのですが、

霊は相変わらず屈んで私だけを睨んで来るの繰り返しで、私は精神的にも追い詰められていきました。

その間ずっと睨まれていたのですから当たり前です。

遂に最後の植木に手をつけ、作業自体は何の問題も無く終わりました。

私が作業後片付けをしていると、霊は今までのは子供の睨みと言わんばかりに物凄い形相で睨んで居ます。

ここで、暑さと精神的に追い詰められた私はその霊に塩水をかけました。

清めてやるには少ない量ですが、気休めにはなるだろうと思ったのです。ただ、逆にもっと怒らせてしまう場合もあったので、賭けだったのですが…

霊は一瞬怯んだだけでしたが、私達が片付けを終え車を出しても、着いてくる気配はありませんでした。

あの小学生の女の子を取り込むつもりだったのに私が逃がしたと怒っていただけなんですね。

ただ霊の中にもあんなに執着心の目立つのも居るんだなぁと、自分自身学んだ出来事でした。

これが最近私が体験した怖い話です。

自分で読んでもオチがイマイチなので、楽しんで頂けるか分かりませんが、読んで頂ければ幸いです。

失礼します。

怖い話投稿:ホラーテラー 咲っちょさん  

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