短編2
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エレベーターにて

予知夢体質とでもいうのだろうか。

僕はよく予知夢を見る。

たいした夢ではないのだ。

電車から乗客が降りてくるときに自分と肩がぶつかる。

弁当のおかずが端によっている。

そんなどうでもいい夢だ。

やけにはっきりと覚えている。

いや、やけにはっきりと思い出す。

もしかして、今見ている光景は一度夢で見たのではないか。

そんな妄想に囚われる。

その日も夢を見た。

僕はエレベータに乗り込み、閉 のボタンを押す。

閉まる扉の間から一人のおじいさんが見えた。

こっちへ来る。

どうせ間に合わないのに。

だから僕は 開 のボタンを押した。

「ありがとう」

おじいさんが礼を言った。

そこで夢が覚める。

(どうせ、いつもの夢だ)

その時はそう思った。

マンションのロビーへと続くエレベータ。

ある朝、僕は一人で乗り込んだ。

(あぁ、キタ)

突然この前の夢を思い出した。

ハッキリと。

この感覚はいつまでたっても慣れないものだ。

マンションのロビーへと続くエレベータ。

ある朝、僕は一人で乗り込んだ。

(あぁ、キタ)

突然この前の夢を思い出した。

ハッキリと。

この感覚はいつまでたっても慣れないものだ。

僕は 閉 のボタンを押した。

(きっとおじいさんが来る)

おじいさんがやってきた。

(きっと僕は 開 のボタンを押す)

僕は 開 のボタンを押した。

(きっとおじいさんは礼を言う)

「ありがとう」

おじいさんが礼を言った

(またいつもの予知夢か・・・)

「これで二回目ですね」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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