短編1
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何人居る?

昔、独り者だったときのゾッとした体験談。

極度のめんどくさがりで、洗濯機は回しても干すのがイヤでそのまま放置してしまうことが多々あった。

あるときお気に入りの上着をカビ臭くしてしまったので、近所のぼろいクリーニング屋へ行った。

その店は、看板は煤けているし、入口の木のドアなんか開けると「ガラガラガラ」と音のする、

なんとも古臭いところでちゃんと営業してるのか不安になったが、

一応中にはビニールのかかったワイシャツなんかが並んでいたので、まあ大丈夫だろうと思い上着を持ち込んだ。

奥から人の良さそうなニコニコ顔のおばちゃんが出てきたので、洗濯物を渡したのだけれど、

どうやらいつもは旦那さんが接客するようで、おばちゃんは慣れていないのかどうも話に要領が得ない。

いつまでも俺の服を伸ばしたり畳んだりしながら、

シミがどうの天気がどうのと脈絡のないぶつ切りの会話をふってくる。

あー ヘンなトコに持ち込んじゃったなー

とか思ってるうちにそのおばちゃんの不思議なトークはだんだんとエスカレート。

最終的に放った一言で俺は上着を奪い返し店を飛び出した。

「ちょっとソコ見てごらん」と、壁とストーブの僅かな隙間を指指して、

「何 人 い る ?」

一見フツーの人だったから油断したよ...orz

怖い話投稿:ホラーテラー チルルさん  

Concrete
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