オカルト好きな友人(パー子)の話です。
パー子は民俗学や土着信仰などに興味を持っていて、呪術などの知識も多少あるようです。
おとといパー子に誘われて、パー子の家に遊びに行った時に「反魂の儀って知ってる?」と尋ねられました。
私もオカルト好きであり、ネットや本で仕入れた知識の中で、死者を蘇らせる方法である反魂の儀の事は多少は知ってました。
なんでも、遺骨を一組と男女の精液を用意して…骨に精液を塗って…どうにかする…みたいな話だったと思います。
パー子が言うには、全ての正式な素材は用意出来ない為、反魂の儀は出来ないが、色々と学んだ結果「遺骨の一部があれば、その死者と交霊が出来る」
との事です。
私が、ぽか〜んとして聞いているとパー子は仏壇から祖父の骨壺を持ってきました。
運が良いのか悪いのか、この日はパー子の両親は出掛けていて、家には私たち二人きりでした。
まだ夕方でしたがブラインドとカーテンのせいで薄暗くなっている室内で(当然ながら、電気は消してます)なにやら、おまじないみたいな事を初めています。
正直に言うと、私は少し気味が悪かったし止めたかったんですが…
(別にパー子のお祖父様が嫌とかじゃなくて)
しかし「止めといたほうがいいんじゃない?」と言うと
「なんで?おじいちゃんだからいいじゃん!あたし、おじいちゃんとお話したいの!」と言って止めようとはしません。
ワンカップ大関やら笹の葉っぱやらを骨壺の前に置き一生懸命に何かを唱えています。
私は内心「一人でやればいいのに、あたしはパー子のお祖父様とは面識も無かったし…」とか思ってました。
その時…
カターン!!
いきなりワンカップ大関のビンがひっくり返りました。
ひっくり返る瞬間、私は目を開けてパー子を見ていましたが、パー子は目を閉じて唱え事をしていました。
パー子がビンに触れた様子は一切ありません。間違い無くビンは、ひとりでに倒れたように見えました。
ビンが倒れるとパー子は「何やってんのよぉ!今いい所だったのに〜!」と怒っていましたが、私が事の次第を話すと
「えっ?それじゃ…おじいちゃんが来てくれたから…?」などと一人で考え込んではニヤニヤしています。
私は、けっこう恐怖心もありましたが、パー子によると
お祖父様はパー子の様子を伺いに来たそうですが、パー子の想いをたいへん喜んでいらっしゃったようです。
これから色々と話そうと思って時にワンカップが倒れて途絶えてしまったそうです。
その日は、交霊術はお開きとなり一緒に食事に出掛けた後に別れましたが
パー子曰く「もっと研究して改良する!おじいちゃんと一緒に食事が出来るようになりたい!」んだそうです。
その時は、また誘ってくれるって言ってました…
私は自宅に戻って、少し日本酒が染み込んでしまったジーンズを脱ぐと(ビンは何故倒れたの?今度パー子に誘われたら行っていいの?)と考えてましたが、不思議と恐怖心は去っていました。
パー子が嬉しそうだからいいやと思う事にします。
以上が、おとといの体験談でした。
怖い話投稿:ホラーテラー 文章力無しさん
作者怖話