俺達は焦っていた
修学旅行で登山していて今頃少し下山して今晩泊まる宿に着いてるはずだったのだが俺達の班だけ道を間違え他の班とはぐれてしまったのだ
日は暮れ始め辺りが暗くなりだした
周りには俺達以外人はなく道を尋ねる事も出来なかった
「おいー、だからあの時あっちにしようって言ったじゃん~」
「引き返した方が良くね?絶対道間違えてるって」
班員のみんなが愚痴りはじめてきた
「わかった!わかったからあともうちょっと先いっても駄目そうだったら引き返そう今また道が見えてきたから」
俺は見える道に向かって先頭にたって歩いた
その時
「うわっ!」
俺は気付かずに足元の樹の根っこにつまづいて転んだ
ああ…派手に血が出てる…
俺は前から差し出されたハンカチで血を拭った
綺麗で白いハンカチが血で汚れてしまった
これ洗えばちゃんと落ちるかなぁ?道に迷ったり…つまづいたりなんだか自分が情けない…
もっと班長の俺がしっかりしていればこんな事にならなかったのに…と申し訳無さでいっぱいになった
「おーい、大丈夫かぁ?」「うわっ血出てるじゃん」
後ろからみんなが心配そうに声をかけてきた
このぐらいで弱音を吐く訳にはいかない
俺は大丈夫。と言って再び歩き出した
その後俺達は民家を見つけそこのおじさんに宿まで送ってもらい無事夕食までに着く事が出来た
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話