中編6
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○○トンネル

私が住んでいる所から車で30分もあれば着く心霊スポットとしては有名な○○トンネルがありました。

当時、私と友人A・B・Cでドライブに出かける事が多かったのですが

A『やっぱり夏には心霊スポット行っときたいべ』

という

軽率な発言から心霊スポットに行こうという計画が始まりました。

世の中は便利なもので

携帯で

『○○県 心霊スポット』

と入力するだけですぐに心霊スポットがわかる。

おまけには心霊スポットの写真も見れて地図まで見れてしまう。

そんな中

私達は日程を決めて

心霊スポット○○トンネルへ向かうことにしました。

夜中の1時に待ち合わせをしてAの車1台に私と友人合わせて4人乗り込み出発しました。

途中

ドン・キホーテへ寄り懐中電灯を人数分買い、準備は整いました。

意外とはやく○○トンネルへ着いた。

よく知られているのは

トンネルの中でエンジンを切り3回クラクションを鳴らすと何かが起きるとか、そういったことだと思うが…

私達が向かった○○トンネルのメイン場所は○○トンネル内ではなく○○トンネルの上である。

この情報はサイトにも書かれていない

サイト上ではトンネル内で起きる怪奇現象などしか書かれていないが

車で30分程度の場所という事もあり、地元の友達情報で

○○トンネルはトンネルの上のがヤバイという事がわかっていた。

なので私達は車を路肩に止めて懐中電灯を持ち車から降りた。

時刻は深夜2時をまわっていた

トンネル入り口左側に噂どおりの階段があった。

階段の幅は狭く、人ひとりがやっと通れるくらいだった。

A→私→B→C

の順番でのぼりだした

深夜2時をまわっているにも関わらず中々暑かった…

私『熱いよ〜…』

B『確かに…』

A『おっ!!頂上みえてきたぞ』

C『やっとかよ〜』

階段を上りきり草が生えいる空き地のような場所へ出た。

私『そーいえばトンネルの上には来たけど何があんの?』

A・B・C『…知らん!!』

私『…俺も』

A『とりあえず見回ってみようぜ』

私『そうだな!!』

そう言って

何があるのかもわからないまま一応その辺を見回ってみることにしました。

辺りを見回っていると何かある事に気付いた。

C『ちょっと、あれ見てみろよ』

Cがその先を照らす

A『なんだあれは?』

B『ここからじゃよくわかんねぇな…』

私『ちょっと近付いてみるか?』

そういって

内心ドキドキしながら私達は近付いていった。

C『なんだ…?』

私『井戸じゃね…?』

A『井戸!?』

B『たしかに井戸っぽくね?』

私『井戸はダメだろ…』

C『どうするよ?』

A『ほかのやつ探そうぜ…』

私『…そうだな!!』

私達は

いかにも映画のリングに出てきそうな井戸を目の当たりにして

暑いというよりも寒さを感じ始めていた。

私達は徐々に口数が減っていた

足音だけが聞こえる。

さっき見つけた井戸の方を若干意識しながら辺りを見回っている。

すると、さらに上に続く獣道みたいな所を見つけた

A『暗いから危なくね?』

C『月明かりもあるし大丈夫だろ』

私『せっかくだし行ってみるか!!』

B『ん〜…そうだな!』

そして私達は獣道を進みました。

きっと今までに何人かは通ったのだろう

獣道とは言っても歩けるような場所がしっかりとあります。

階段よりは短くすぐ上りきりました。

するとすぐに何かある事に気が付きました。

私『小屋か?』

B『なんかの倉庫じゃね…?』

A『絶対あれヤバイやつじゃん…』

C『つか、こんな所になんであるのさ…』

B『絶対誰も使わないよな』

私『なんか気味悪いな…』

私達は更に小屋らしきものに近付いた。

A『うわっ…』

C『これ…家なの?』

私『おいおい…まじかよ…』

B『…住めるような場所じゃないだろ』

その小屋には表札らしきものがしっかりとあった。

その表札には

《磯野》

と書かれていた。

しかし

電気はついてないし

つーか、時間的にも電気はついていないと思うし、電線は通ってないような場所だ。

A『さすがに誰も住んでないべ…』

私『そうだよな、疲れたしそろそろ帰ろうか…』

B『帰宅に賛成!ラーメン食いに行くか』

C『ん〜…そうだなー』

と、Cは言いながら窓から中を覗こうとした。

すると、

B『おいっ!!』

Bが後ずさりしながら何処かを指差している。

小屋のほうを指差していた。

Aと私は

Cの事を言っているのかなと思い

A『C!!はやく帰るぞ』

C『おぅ』

B『おいっ!!あれだってば!!』

Bが指差している方は玄関だった

私『うわぁっ!!』

A『えっ!?どうした…?』

C『なんかあったか…?』

Cはのんきな事を言いながらこちらに向かって歩いてくる。

B『玄関だよ!!小屋の玄関!!』

小屋の玄関は横にスライドして開ける引き戸みたいなやつで、

モザイクガラスと言ったらうまく伝わるかもしれないが

はっきりとは家の中が見れないようになっている

その玄関の方を見たときに私達はギョッとした。

その引き戸にべったりと顔をつけてこちら側の様子を伺っている…そんな感じだった

深夜にもかかわらず

青白い顔で目を見開いて引き戸にべったりと張り付いているのがモザイクガラス越しにわかった。

私達はバレないように物音をたてずにゆっくりと下へ続く道へと向かっていた

すると…

ガタガタ…ガタン!!

私達の動きはピタッと止まった…

玄関の方を振り向いた

玄関も窓も閉まったままだ

私(なんだよ…人住んでるのかよ…)

そう思ったその時

ガラッ!!

玄関が開いた

玄関の先には

おばさんみたいな人が立っていた…

髪はボサボサ

すると左手を振り上げて追い掛けてきた

やべっ

私達は全力で下へと続く道へと走った

おばさんをよく見ると振り上げた左手にはカマみたいな刃物を持っている

幽霊とかじゃねぇ…

リアルに殺される!!

こんな恐怖に思ったことは今までなかった。

獣道を全力で駆け降りた

というより滑り落ちた

私『はぁ…はぁ…』

おばさんは追い掛けてきてないようだったが

とにかく安全な場所に行きたくて

下りの階段へと全力で向かった

井戸があったがそんなものには目も触れず

私達は全力で走った

すると…

『チリン…チリン…』

と後方から鈴の音が聞こえてきた。

私達はみんな聞こえていた

Bが振り返ろうとした

私はBに言った

私『振り返るな!!連れていかれるぞ!!』

あまりに不自然すぎる鈴の音や、カマおばさんなど色々な事が恐怖へと繋がり…

絶対に車に乗り込むまでは振り返ってはいけない

そう思って

私達はなんとか車へ乗り込んだ

鈴の音もしなくなった

私達は息をととのえる間もなく車のエンジンをつけて走りだした。

車内は無言だった

みんな汗を拭いながら息をととのえていた。

しばらく走り、信号待ちをしているところ

対向車が私達の車にパッシングをしているのに気付いた。

知り合いか?

と思ったが全く知らない…

なんだよって思いながら走り続けていると

今度はパトカーに止められた。

私達は何もしていない

まさか

カマおばさんが私達の車のナンバープレートをみて警察に通報したのか…?

やっぱり普通の人間だったか

とか思っていた

警官『1…2…3…4人、ちょっと4人とも下りてくれる?』

私達『…?』

A『俺達なんかしましたか…?』

警官『なんかしたも何も…君達さぁ、車の上に人乗せて走ってたでしょ?』

私達『……え!?』

おわり

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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