短編2
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夜中

子供が笑っている。

指を差して笑っている。

夜中の3時前。

暗い部屋。

扇風機の音。

それ以外は聞こえない。

子供が押入れを指差して笑っている。

目が開いている。

何か話ている。

おいでおいでと手で招きだした。

妻は寝ている。

押入れをみるが何もいない。

子供は相変わらず指を指している。

一週間続いた。

妻は全く気づかない。

俺には霊は見えないがいる感覚はわかる。

必ず耳鳴りがする。

肩が重い。

夜中の3時前に耳鳴りでめがさめる。

肩が重い。

俺「またか…」

日曜日、押入れをを調べる。

妻「なにやってんの?」

俺「掃除」

布団を押入れから全てだし片手には意味のないはたき片手には懐中電灯。

押入れにはいる。

俺「あった…」

襖の裏にそれはあった。

お経がビッシリと襖一面に書いてある。

一枚だけ。

妻にはいえない。

俺「どうしたものか…」

一応掃除をし布団を中へ戻す。

俺「まぁ何もないし様子を見るか…」

それがいけなかった。

毎日続いた。

寝不足だ。

30分程だけだが逆に体にこたえる。

妻もきずいた。

妻「夜中に寝言が五月蝿いんだけど。」

あほだ。

気づいていない…。

夜中3時。

妻が切れた。

むくっと起き上がり俺を睨む。

俺は起きている。

押入れを指差す子供に気づいた。

怯えている。

固まっている。

子供は笑っている。

手招きをしている。

妻が押入れをゆっくりと見た。

何もない。

翌朝。

妻「知ってたんでしょ。」

と切れている。

俺「俺にはどうすることも出来ないよ。」

家は築40年以上のアパート。

間取は3DK、寝ている部屋はリビングの隣の8畳の部屋。

布団を2枚敷いている。

言っておくが俺と妻に子供はいない。

毎晩俺と妻の間に押入れを指差し笑って手招きをしている子供が現れる。

夜中3時から30分間だけ。

2歳位だろうか。

ガリガリに痩せた体に服は来ていない。

目は虚ろで肌は死体のように紫がかっている。

どうしたら良いのか教えてくれ。

酒に浸し、満月に照らした塩を四隅に盛ったが効果なし。

俺は何もされないので気にはなるが別によいと思っている。

妻が五月蝿い。

結局、部屋をでるしかないのか。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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