エレベーターに乗る
向かうは17階
8階で一度止まり、扉が開く
扉が閉まろうとした時
小柄のおばさんが、ゆっくりと駆け込んできた。
とっさにボタンを押し開ける
おばさんは笑みを浮かべ軽く頭を下げ、エレベーター内の一番後ろに立った。
僕が向かうのは17階。
おばさんは他の階のボタンも押さないし、同じ階なのだろう
エレベーターが17階につき、開けるボタンを押した。
おばさんは出ない。
他の階だったのに、ボタンを押し忘れたのかな
僕はエレベーターから降り、軽く振り返ってみた。
おばさんは笑みを浮かべて、その場に立っているだけ
そのままエレベーターは扉が閉じて下へ向かった。
あぁ本当は、下へ行きたかったのかな
それから数時間して、僕は下へ降りるためにエレベーターを待っていた。
エレベーターの扉が開くと、さっきのおばさんがいた。
おんなじ所に立っている。
さっきと同じ、笑みを浮かべたままで。
あれからいつも、このエレベーターの扉が開けば、あのおばさんがいる。
相変わらず、笑みを浮かべて立っているだけだ。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話