短編2
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繋がって…

たとえば夜、自室でベッドに寝っ転がり携帯を弄る。一日の終わりに、だらんと超リラックスなモードでホラテラなどを見たりする、そんな状況での話。

もう寝ようか…、と思いつつも携帯を手放せず、サイトからサイトへと暇潰しの閲覧を繰り返していた。

既に部屋の電気も落としているため、携帯電話の光だけがぼやんと点っている。

なかなか眠気はやってこず、まあ携帯ばっか見てて当たり前か、と嘆息しフリップを閉じる。

パチンと音がして暗闇が訪れた。

明日の予定などを思い起こしている時に、あぁと思い出した。

(携帯目覚ましセットしてないな…)

もぞもぞと手だけを動かして掴んだ携帯を、顔の前まで持ってくる。

微かに携帯が引っ張られる感覚が手を通して伝わった。が、別に気にしない。

ヘッドボードのコンセントに繋ぎっぱなしにしてある充電コードが引っ掛かってるだけだ。

目覚ましをセットして、ついでにメールをチェック。さっきしたばっかりだから新着はなし。

持ち上げたままの腕が疲れてきたので寝返りを打って回避した。

と、脇の下あたりに何かが触れる感触があり、殆ど無意識でそれを払った。

(充電コード邪魔…)

もう一度目覚ましの時間を確かめてから、やれやれと頭の後ろ辺りへ携帯を放り投げた。

さあもう寝る寝る、と心の中で呟いたのに、またも思い出す。

(しまった。明日って請求締め切りだっけ…?)

仕事に関わる要件を確かめるべく、再び携帯を手に取った。

事前の確認を怠ると有り得ないほどイージーミスを連発してしまうので、携帯のカレンダーとスケジュール帳には必ず書き込みし、尚且つやることリストも作ってある。

ベッドの上で身を起こし、ついでにサイドランプも点けた。

明日やることを頭に叩き込み、安堵の溜息。

そして気が付いてしまう。

(充電コードが繋がってない…)

しばしぼんやりと考えた。

そういえば今日はコードを携帯に差し込んだ覚えがない。

(忘れてたのか。気が付いてよかった…)

思いつつヘッドボードを振り向くとそこには充電コードがとぐろを巻いている。

(あれでもさっき…)

暗闇の中、手探りで引き寄せた携帯。

引っ張られる感覚と脇を触ったコードの感触。

(んん??)

見えてなかったけど確かに繋がっていたはず。

うん。見えてなかった。

(じゃあ、いったい何が携帯と繋がっていたんだろ…)

呆然と、手に持ったそれを見下ろした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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