短編2
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よくありそうな話です。

あれは私が小学生の頃、俗にいう私は見えてしまう子でした。

最初はそんな自覚はなく、しかし周りには異様に見えていた訳で…、気持ち悪いがられました。

そんな私ですが高学年になった頃、強制でこっくりさんに参加させられました。

誰かが動かしていたのか、はたまた本当にこっくりさんなのか、(まあ、大抵は低級な霊ですが…)私が言葉を発する時だけ十円は動きました。

そこから、私は少々おかしくなり始めました。

ぼんやりと自覚はありました。

何でこんな事してるんだろう、と。

ひとりでこっくりさんをやり始めたり。

あからさまにぼそぼそと誰かと話していたり(ひとりこっくりさんはたしか呼び名があったんですが…忘れてしまいました。

)ただ、はっきりとしていたのは私の側には常に何かの存在を感じてました。

獣の匂いがよく鼻についていました。

ある日、私は夢を見ました。

私は血だらけで、でも私の血ではないんです。

周りには両親、祖父、祖母、親しい人達が事切れた状態で横たわっていたのです。

すると真っ赤な何かの塊が現れて私に触れます。

すると私の体がズブズブと溶けていくんです。

夢なのに激しく痛みました。

手足が痺れ、おぼろげながらこれが死ぬことか、と思えました。

オペラのステージのような場所で観客席のような所には横たわっていたはずの人がいて喚起をあげながら拍手をしているのです。

その中に私の姿もありました。

汗だくで目を開けばぼぉ、っと青白い光が浮かんでいました。

それは狐のような形でした。

それは口にあの赤い塊をくわえていました。

ぺこり、と狐がお辞儀をしたと思うとふ、と消えてしまいました。

気がつくと朝でした。

あの出来事も夢だったのかもわかりません。

しかし、あの出来事から私はもう霊を見ることはできなくなりました。

(存在を感じることはありますが。

)あれが狐がどうかもわかりませんし、あの塊も何だったのかもわかりません。

ただ、その狐のようなものの存在は常に感じるのです。

他にも多々ありますがまたの機会で。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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