短編2
  • 表示切替
  • 使い方

悟り?

半年ほど前まで、私の家の前におじいさんが一人で住んでいました。

元気な人で、私にもよく挨拶してくれました。

ある日、私が学校から帰ると、おじいさんはいつものように買い物帰りのようで、家の前に立っていました。

いつもなら挨拶して終わりなんですが、近くの家で放置気味になっている飼い犬がいて、私も気になってたこともあり、おじいさんと少しの間そのことで喋っていました。

ところが、犬の話から急に、「人生は何があるか分からないからね、頑張りなさいよ。」と何度もその言葉を繰り返してきました。

私はいきなり何?と疑問に感じながらも、相槌をうって話を聞いていました。

その日の晩、11時頃でした。私の家のインターホンが鳴りました。

こんな時間に誰?と家族みんな驚いたんですが、私がインターホンと繋がった電話(?)をとると、男性の声で、

「救急車!救急車をよんでください!」と、必死な声で訴えてきました。

何が何だか分からず母と家の玄関を開けると、向かいのおじいさんの家の玄関が開いていて、その前に頭から血を流したおじいさんが倒れていました。

私達は家に戻り、祖母にすぐに救急車を呼ぶように言いました。

人が頭から血を流すのをこんなに間近で見たのは初めてだったので私も母も声が震えていました。

10分ほどたった後、救急車が来ておじいさんは病院に運ばれて行きました。

さっきインターホンを鳴らしたのは、おじいさんの隣に住んでいる男性で、おじいさんとは仲よくしていて、たまたまおじいさんの家を覗いてみたら、階段から落ちて倒れていたそうです。

私達に救急車を呼ぶように頼んだのはどちらの家にも電話がないからだそうで、私達とその男性以外、近所の人達はおじいさんが倒れたことは誰も知りません。

その事故から数ヶ月経って、母が男性から聞いた話では、おじいさんは脳内出血をおこしていて、集中治療室に入ったそうです。

詳しい話は知りませんが、多分もうダメだろうということです。

もしかしたらもう…

あの日のおじいさんの「人生は何があるか分からない」という言葉と、その日のおじいさんの事故。

私にはとても偶然には思えず、もしかしたらあれはおじいさんの悟りか何か?と今でもたまに考えてしまいます。

怖くもないお話にお付き合いありがとうございました。

駄文、長文お許しください。

怖い話投稿:ホラーテラー みるくてぃーさん  

Concrete 59189e6fb4d79119a63e92183ffb92aeb8f46031afd97d5db060811ce15c35e6
閲覧数コメント怖い
13600
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ