中編6
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〜記録されたもの〜

夜中の1時を過ぎたあたりだ

このアパートに引越してきてから隣の部屋から毎晩聞こえてくる…

『あんっ…あんっ…あぁっ…』

俺『またはじまったか…』

やけに激しい喘ぎ声におれはうんざりしていた

いつもならば、喘ぎ声なんて気にならないで寝てしまっていたが

その日は、とても蒸し暑く風も全くない日だったので俺はなかなか寝付けずにいた

そんな中、喘ぎ声にイライラしながらも俺は布団でごろごろしていた

だんだん喘ぎ声が激しくなっていく

しかし、なにかが変だ

激しいというよりは

女の声はだんだん奇声に変わってきた

『あんっ…あぁっ!!』

『あぁっ〜!!いやぁ〜!!ぎゃぁぁぁあ!!』

『…………』

女の奇声と共に隣の部屋は静かになった

俺は耳を壁にあてて

隣の部屋の様子を探ろうとした

すると

壁に何かがあたった

『……ドン!!』

俺は思わずびっくりして声をあげてしまった

俺『うわっ』

心臓がバクバクいっている…

俺はその場に固まったままだ

するとまた物音が聞こえてきた

『ドタ…ドタ…ドタ…ガチャ!!』

隣の部屋のドアが開いた

『ドタ…ドタ…ドタ…ガチャ…』

俺『!?』

『ガチャガチャガチャガチャ!!!!』

隣の部屋のやつが俺の部屋のドアを開けようとしている

『ガチャガチャガチャガチャ!!!!』

変な汗が大量に出た

やめてくれ

俺はすでに恐怖心に侵されていた

俺は恐る恐るドアの覗き窓から外を確認した

…誰もいない

ドアノブももう回されていない

俺『なんだよ…まぢ鍵しといて良かった…』

その時、

『バタン…』

隣の部屋のドアが閉まった

俺は恐る恐る玄関の外を確認した

誰もいない

隣の部屋のドアが少し開いている

俺は自分の部屋から護身用に金属バットを持ち出して隣の部屋へ乗り込んだ

もしかしたら女の人の死体があるかもしれないと思いつつ…

部屋に乗り込んだ

玄関には靴がない

俺『証拠隠滅か…?』

俺は玄関の電気を点けた

すると、

靴どころではなく

部屋には何も置いていなかった

俺『どういうことだ…?』

玄関を進み右手の風呂場を確認した

…誰もいないし死体もない

さらに奥へ進む

リビングの電気を点ける

…誰もいない

右手の部屋へ進む

そこの部屋は俺の部屋と接している部屋だ

恐る恐る電気を点ける

俺『うわぁっ!!』

そこの部屋には

女の人のものと思われる血が畳一面に広がっていた

俺は一目散に部屋を飛び出し近所の交番へ走った

俺『はぁ…はぁ…』

『ガラッ』

警官『どうしました!?』

俺『はぁ…はぁ…隣の部屋で…』

俺は警官に詳細を伝え

警官と共にアパートへ戻った

そして隣の部屋へ警官と共に

ガチャ…ガチャガチャ

鍵がかかっている

俺『そんな馬鹿な…』

警官は大家さんを呼んで鍵をもらい部屋に乗り込みました

右手の部屋へ進んで行く

すると、さっき俺が目撃した血はなく

ただの畳の部屋だった

俺『ついさっきまで、この部屋に血があったんですよ!!』

警官『ん〜…しかし全く血の跡もありませんし…今日は引き上げましょう』

俺は納得しないまま

自分の部屋に戻り就寝した

翌日

俺『あれはなんだったんだろう…絶対に見間違いではない』

気味が悪いながらも金銭的余裕もなく

すぐに引越しができなかったがために

恐怖と闘いながらも

またアパートへ帰ってきた

俺『ふぅ…今日も疲れたなぁ…』

ってくつろいでいたら

隣の部屋から

『あんっ…あんっ…あぁっ』

俺『ビクッ!!!』

心臓が破裂しそうなほど恐怖心に支配された…

なぜまた聞こえてくる…

また聞こえてきた

俺はびくびくしていた

しばらくすると案の定女の人の声が奇声に変わる…

そして隣の部屋を出る音が聞こえる

こちらへ向かってくる

『ガチャガチャガチャガチャ!!』

俺は金属バットを持ちドアの前で構えていた

自ら鍵を開けて勢いよくドアを開ける

…しかし誰もいなかった

これじゃあいつまで経っても理由がわからないものとの闘いになってしまう

昨日、大家さんに聞いたところ隣の部屋は空き部屋だということは確認済みであった

俺は友人Aを家に呼び

詳細を話して

うちのベランダから隣の部屋が監視できるように監視カメラを仕掛けた

そしてAと交代交代で監視カメラの映像を見ることに

夜中の1時過ぎ

例の声が聞こえてくる

俺とAは食い入るように監視カメラの映像を見る

しかし声しか聞こえない

俺『どうなってるんだよ…』

A『誰も映ってないけど…確かにこの部屋から声が聞こえるな…』

やがて女の人の声は奇声に変わる

そして俺の部屋へ入ってこようとする

Aは怖いもの知らずだった

Aは俺の部屋にあったハンディビデオカメラを手にして外へ飛び出していった

Aは迷わず隣の部屋に向かいドアに手をかけた

『ガチャガチャガチャ』

A『おい!!開けろや!!いい加減にしろよ!!』

しかし無反応…

Aはドアに蹴りを入れ

A『部屋戻ろうぜ』

俺『そうだな』

俺達は部屋へ引き返そうとした

すると…

ガチャ…

隣の部屋のドアが開いた

Aは物凄い勢いで隣の部屋へ入った

A『誰かいんのか!?』

なにも返答がない

Aはさらに部屋を突き進み例の右部屋へ向かった

すると、急に静かになった

Aをみてみると

Aはただ呆然と立ち尽くしている

俺『おい!Aどうした!?』

A『…』

俺『なにかあったか?』

と言ってAの肩を触ろうとした瞬間

Aは突然走り出して部屋を飛び出した

俺はAを慌てて追い掛けた

Aは俺の部屋へ向かうこともなくそのまま帰宅していった

俺は何度かAの携帯に連絡を入れたが、全く繋がらない

詳細が知りたかった俺は翌日もAの携帯に連絡をいれ続けた

俺はバイトから帰宅して

再度Aの携帯に連絡を入れた

すると電話が鳴った

プルルル…プルルル…プルルル…

えっ!?

電話の音は明らかに隣の部屋から聞こえてくる

俺は慌てて監視カメラをチェックする

…しかし、Aの姿は見当たらない

俺は隣の部屋へ向かいドアを開けようとしたが鍵がかかっていた

俺『おい!A、中にいるのか!!?』

全く無反応だった

再びAの電話を鳴らしてみる

プルルル…プルルル…プルルル…

明らかにこの部屋から聞こえてくる

俺は部屋に戻り監視カメラの映像を確認する

すると…

あの喘ぎ声が聞こえてきた

やがて奇声に変わってくる

その時

カメラの死角からAが出てきた

ゆら〜ゆら〜と歩きながら部屋の真ん中あたりでずっと揺れている

俺『おい!!Aなにやってんだよ!!』

俺は壁を叩きながらひたすら叫ぶ

すると、

女の奇声と共にAは自ら自分の首を刃物らしきもので切った

俺『えっ…?』

Aの首からは尋常じゃない量の血が吹きでている

俺は完全にパニック状態だった

女の奇声も聞こえなくなり俺は呆然として監視カメラをみていた

その時

監視カメラがとらえているアングルの奥の方から貞子のように四つん這いでAに近付いてくる女が現れた

女はAの脚をつかんで風呂場の方へ引きずっていったのがわかる

俺『すべてはあの女のせいか…』

俺はベランダから隣の部屋に侵入し風呂場へ向かった

そこにはAの変わり果てた姿しかなかった

俺は警察にテープを見てもらえれば何か捜査してくれるだろうと思い

すべてを記録したテープを警察へ届けたが警察はAを自殺として処理した

そして俺は実家へ戻ることにした

おわり

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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