短編2
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じゅ~す

友人の体験談。俺の友人のAが仕事帰りに、自動販売機でファンタを買っていた。コイン投入口に120円を入れ、ジュースが出てくるボタンを押した。すぐに缶の落ちるガコンという音がした。Aは、かがんでそれを取ろうとした。

すると、Aが買ったファンタのとなりに、ペットボトルが落ちていた。中身がまだある。Aはそれを手にとって、賞味期限を確かめたあと、誰もあけてはいないか、ふたを軽くひねってみた。しっかり頑丈だ。誰にも空けられた形跡がない。

Aはこれはついていると思い、たったの120円で二つのジュースをテイクアウトした。用心深かったAは、家に帰ると一応さっき手に入れたペットボトルの中身を、コップの中に移してみた。

よくよく見るとこの液体はなんとも白く、色がかなり濃かった。水性絵の具を溶かして、さらにその中に白色の食紅を何度も入れたみたいに。

Aは、鼻先にコップをもってくると、くんくんとにおいをかいでみた。ラベルにはカルピスと書いてあった。だが、それにしてはにおいがねちっこい。あのカルピス独特の甘い香りはしない。強い酸性物質かと思い、箸を液体の中に入れてみた。だが、溶ける様子もない。

どうしようかなぁと悩んでいたAのもとにプルルルルルーと電話が入った。あっと思いAは座ったまま受話器に手を伸ばした。その時Aの服のそでがコップにあたり、中身を床にこぼしてしまった。あっちゃあと思い、Aは近くにあったふきんでゆかを拭こうとして、目を向けたときだった。

Aは、その光景に目をむいた。こぼした液体の上で、何か白いものがたくさんのたうちまわっていた。・・・それが生物であると自覚したとき、Aはこぼした蛆入りジュースをしっかりとよく拭き、拭いた物を窓から外に放り投げた。ペットボトルに残っていたものも窓から外に容器ごと放り投げた。その後よーくシャーワーを浴びて体を洗ったあと、布団にもぐりこんでそのまま寝てしまった。その夜は無性に体がかゆかったという。

皆さんも、じはんきの中にジュースが置いてあっても絶対に持ち帰って飲んだりしないでくださいね。

怖い話投稿:ホラーテラー メアさん  

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