短編2
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蟲毒

(注・これは昔読んだ本に載っていた唐~宋時代の民話ですが、未だに原典を探せないでいます。記憶頼りですから所々尾ひれや脱落があるかもしれません。原典をご存じの方いましたらコメントをお願いします。)

蟲毒・・小動物を壺とか一箇所に閉じ込めて共食いさせ、生き残ったものを呪詛の道具として使う呪術。よくオカルト物のネタにもなっているアレです。

蟲毒は使い手に益をもたらす反面、邪法ですから使い手の寿命を縮めたり家族が死んだりと報いをうけるといわれます。

蟲との縁を切るために金品と共に蟲を道におき他の誰かに拾わせてその人に引き取らせることがあるのだそうで、この話はそれが基になっております。

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ある男が道を歩いていて大きな包みを拾った。

開けてみると銀塊がいくつも入っていた。

もうけたと思って喜んでいると、銀の上にいつの間にか大きな蝦蟇蛙が乗ってじっと男を見ている。

男は何気なく蝦蟇を追い払い銀を持って家に戻った。

家の年寄りにこの話をすると、老人は青ざめ、

「それは蝦蟇蟲(蝦蟇を利用した蟲毒)というものだ、そんなものを拾って祟りがあるぞ、銀は戻してきなさい」と言う。

肝の太かった男はそれを聞いてからからと笑い、

「そんなものを恐れはしない」と銀をそのまま自分のものにした。

その夜遅く、戸口のほうでぎしりと音がしたので男がそちらを見ると、いつ入ってきたのか赤ん坊ほどの大きさの蝦蟇が2匹居座っている。

「ははあ、これが例の祟りとやらか」と男は言い、やおら棒を取り出し

蝦蟇を叩き殺したうえ

料理して酒のつまみに食べてしまった。

ところが次の晩、一回り小さいが蝦蟇が4匹に増えてやってきていた。

男はまた食材がきたとほくほくして、再び叩き殺して料理して食べた。

次の夜はさらに蝦蟇が増えた。

さすがに一人では食べきれないと、酒を準備し、豪胆な友人たちを誘って皆で蝦蟇退治をしてやはり食べてしまった。

次の夜、大小数え切れないほどの無数の蝦蟇が男の家に押し寄せてきた。

家全体を埋め尽くす勢いである。さすがに他の家族は怯えた。

しかし男は「これはさすがに食いきれない」と言うやたくさんの人々を雇ってきて全員で蝦蟇退治をして土に埋めてしまった。

それ以降、男の身にも家族にも特に変事はなかったという。

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話自体はこんなもので、とりわけて怖いというわけではありません。

むしろなんじゃこのオチは!という話に入ると思います。

しかしこの話を読んで、個人的に思ったこと

「中国人 怖ェえ!!」

祟りすら通用しない最強の人種。

しかも喰ってしまう・・。

こんな国のお隣で日本はこののち国際競争に生き残っていけるのだろうか、と変なところで心配になってしまいました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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多分ですが、「聊斎志異」では無いかなと。

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