短編2
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彼女の手料理

僕には付き合って3カ月になる彼女がいます。

今日は初めて彼女の家に招待されました。

僕は寮なので、密室で二人っきりになるのは、今日が始めてです!!

僕は、中学、高校と男子高だったので女子と話した事もほとんどなく、大学のサークルでできた今の彼女が初めての彼女でもちろん「あっち」の経験もありません(笑)

彼女は、北海道から今年の4月に出てきたばかりでした。大学の近くにワンルームのアパートを借りています。

僕たちは、緊張しながらも「手」をつないで彼女の家に向かいました。

彼女の部屋は、なんというか・・・あちらこちらから「いい匂い」がしてきそうな感じの部屋でした。免疫のない僕にとってはまるで「秘密の花園」でした。(笑)

あちこち物色していたら

「もーう、●●くん! 座ってテレビでも見ててよ❤」と怒られちゃいました❤

僕は「はーい」と少し甘えた感じでおどけて見せました。

「今日は何をごちそうしてくれるのー??」と尋ねると・・・

「今日はカレーでーす❤」とにんじんとたまねぎを見せて彼女もおどけてくれました。

僕は、なんて幸せなんだろう!僕の童貞は彼女にささげるために残しておいたんだなぁ・・きっと・とか勝手に「その後」の事まで想像していました。ばか??

「ねぇ、○○ちゃん(彼女)今日の食材ってもしかして買ってきてくれてたの??」

「うーん、お肉とかはね!野菜は実家から送ってくれたのもありまーす❤」

小さなベランダには親御さんの字と思われる文字で「おこめ」とか「しんじゃが」とか書かれた段ボールがありました。

僕の為にわざわざ事前に買い物とか言って計画している姿を想像すると、より一層愛おしく思えました。そして、こんなにかわいくてやさしい彼女を育てた親御さんはきっといい人達なんだろうなぁ・・・と勝手に想像していました。

1時間程してようやくカレーも完成が近いようです。

途中

「あ!やばーい・・・忘れてた!!」 とか

「大丈夫♪大丈夫♪♪」 とかいう声が聞こえたがまぁご愛敬。

いよいよ完成!!

「実は・・私ほとんど料理初めてだから自信ないけど・・・」

なにいってんだ、僕は、僕の為にカレーを作ってくれたという「事実」でもうお腹いっぱいだよ!と思いながら・・・

「いただきまーす!!」

パクッ!!!

(・・・・なるほど、確かに、そんなにうまくはないなぁ・・・「カレーのルー」の味のみ!正直かぁちゃんの方が10倍うまいけど・・・でも食べらないわけじゃないし、そんな事口が裂けてもいうもんじゃない。うん

!!ゴ。

なんだ?固い物があるぞ??)

それからほどなくして僕は死にました。

※彼女は僕を殺す意志はありませんでした。

怖い話投稿:ホラーテラー ニブルスさん  

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