中編5
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メールきたよ

チャンチャラチャンチャンチャンチャラチャラチャラ~

うっせーな。手探りで携帯を探す。

携帯を開くと新着メールが。

9/15 05:25

frm 冶マ泗蛇??カ嗚屡

SUB 蝸エ畝??

本文

箕ツ祁詫??苧マ繪暇??蝸エ畝ヨ??。

…何だよこれ気持ち悪い。あ、やばい、耳なりがする

仰向けのまま首を起こし足元の方向を見ると男の子がいた。

もの凄い声量でケタケタ笑っている。顔は暗くて窺えない

そして四つん這いでゆっくりと顔の方に近づいてきた

で?とでも言いたげな不機嫌な顔。まあ気持ちは分かる。まだ6時過ぎなのに突然後輩が家に来たのだから。

「いや、それでびくっとなって起きたんですけど…」

「はあ…あのな怖い夢見るたびにいちいち家に来られても困るんだよ」

僕はすいません。とボソッと言った。でも不思議な事がある。それは夢の中のメールが実際に届いてあるのだ。

それを先輩に伝えると

「寝ぼけて夢と現実がリンクしただけじゃない?それ迷惑メールだよ」

と言って布団に潜り込んだ。

まったく、頼りにならないな。そう思いつつも何故だか安心して僕は寝た。

チャンチャラチャンチャンチャンチャラチャラチャラ~

またか。またメールだ。携帯を探す。メールを開く。

9/15 08:25

frm やマし蛇??カお屡

SUB 蝸エせ??

本文

みツ祁詫??苧マ繪か??蝸エ畝ヨ??。

Oh…勘弁してくれよ。耳鳴りがする。また男の子がケタケタ笑ってる。顔は暗くて窺えない

四つん這いで近づいてくる。

ゆっくりと

そして目の前まで来た所で

「おい」

びくっとなって飛び起きた。全身嫌な汗をかいている。

「また夢でも見たか?」

先輩の家に居たのを忘れてた。

「起きてたんですか」

そういえば先輩に起こされる前に男の子が何か言っていたが、聞きとれなかった。

「かなりうなされてたよ。ちょっと心配だな」

と言い、僕の携帯を見せろとジェスチャーした。

携帯ストラップを無理やり引っ張って引ったくられる。

千切れるからやめてくださいよ。

「ふーむ」

とわざとらしく顎に手をやり考え込む素振りを見せ

「これは文字通り、文字(お)化けだね」

何が面白いのか、やたらウケていた。

はぁ…僕は帰ろうと思い、立ち上がった。

「待て待て待て。ゴメンゴメン。でもこれは少しまずいかもな」

「これ何だと思う?」

と言いながら携帯を投げて返される。

いや、こっちが聞きたいんですよ。

「返信してみるか?」

彼は笑っていた。声だけは。

真剣な顔。

彼がこういった顔をする時は決まって良くない事が起こった時だ。

「これがもし霊的なものなら…」

と言いかけて言葉を切る。僕の目をジッと見たまま黙った後

「なあ、最近何かした?」

ドキッとした。心当たりは十分あった。実はこの間、友達と墓場に肝だめしに行き、適当な墓のお供え物を盗ってくるという罰当たりな事をしたのだ。それを伝えると

はあ…

先輩から溜め息が漏れる。

「返してきな」

僕はハイ。と返事をした。

が、問題がある。

「僕、何も盗ってないんですよね」

実はこの日の肝だめしの時、ほんの少しだけビビった僕は、結局何も盗らず仕舞いだったのだ。

先輩は何やらしばらく考えて

「他に心当たりは?」

と聞いてくる。

ないっス。ボソッと携帯のストラップをいじりながら答える。

その態度にイライラしたのかわからないが先輩の口調が強まる。

「いいか?夢はまだいい。夢なら簡単だ。けどこうやって干渉出来るやつはヤバい。」

と言いメール画面を見せてくる

「お前にきっと関係している。本人に直接聞く事が出来れば早いが生憎俺は霊と話せない。だから思い出せ、何かしたはずだ」

「死ぬかもよ」

ヒイと喉の奥から悲鳴が出た。

その日は先輩の家に泊まった。怖くてとても一人じゃいられない。

チャンチャラチャンチャンチャンチャラチャラチャラ~

明るい音楽だが僕にはもう恐怖の音楽でしかない。

まただ。もう嫌だ。その思いとは裏腹に携帯を探す。

ああ…夢は変えられない。

投げ出したいのに手が勝手にメールを開く。

9/16 00:03

frm やマした??カおる

SUB かエせ??

本文

みツケタ??ォマ繪か??かエせヨ??

かえせ?耳鳴りがすごい。頭が痛い、うるさいうるさいウルサイウルサイ

足元を見る。男の子がケタケタ笑って四つん這いになって迫る

ゆっくりゆっくり

男の子の顔が見えた。

あれだけケタケタ笑っているのにまったくの無表情だ

早く目覚めろ早く嫌だ怖いコワイ耳 コワ

「みーつけた」

ハッとした。起きれたのか?

チャンチャラチャンチャンチャンチャラチャラチャラ~

嫌な予感しかしない。

チャンチャラチャンチャンチャンチャラチャラチャラ~

音が止む

チャンチャラチャンチャンチャンチャラ~

音が止

チャンチャラチャン~

音が…

何件も連続してメールが来ている。

とても見れない。僕は先輩を起こそうと彼のそばに寄ると

「思いだせた?」

彼の顔は暗くて見えなかった。でも僕は泣きながら頷いた。

肝試しに行った帰りのこと、友達と連れ立って帰る。ふと立ち止まった時に道路脇にあるものを見つけた。

そして何気なく拾ってしまったのだ。

「返しに行くぞ」

再び僕は頷いた。

「…ここです。」

拾った場所はうろ覚えだったが勘を頼りになんとか着く事ができた。

あの日は気づかなかったが近くに看板を見つけた

「9月11日 夕方4時頃 山下薫君(6)が轢き逃げに遭いました。情報が欲しいです。見かけた方はご連絡下さい。○○警察署」

彼は腕組みをして看板を見た後深いため息をつく。

「馬鹿だな。落ちているものをホイホイ拾うな」

ゲンコツをもらった。

「初めて見たからてっきり買ったんだと思っていたんだがな」

と言いながら僕の携帯から取り外した。

ミ●キーマウスのストラップを。

夢の中で確かにあの子は、僕の携帯を奪い取り「みーつけた」と言った。ずっと探していたのだろう。僕はもの凄く後悔した。

「探していたんですね…死んでからもずっと…」

街灯が照らす。

先輩はニヤニヤしていた。

もの凄く。ひひっと声が漏れる程。その後爆笑しだした。

「馬鹿。死んでねぇよ。」

は?

「ありゃ生き霊だ。ずっと飛ばされてるのに気付かないなんてお前はまだまだ未熟だなあ」

は?は?

「理由は知らんがそれほど大事な物だったんだな」

「まあストラップは手放した方がいいよ。媒介だ。その内本人が探しにくるだろうさ」

やられた。騙されてた。でも返す言葉もなかった。

「けど放っておいたらその内本当に死んでいただろうな。生き霊ってのは執着の塊だ。どれほど影響受けるかは理解した?」

「まあ教訓だよ。触らぬ蜂はささぬってな。いくら大好きな物でもあまり拾うなよ。」

と笑った。

僕はとにかく恥ずかしかった。泣く前に戻りたい。

チャンチャラチャンチャンチャンチャラチャラチャラ~

着信音のエレクトリカルパレードが鳴る。

「ハハッ メールダヨ」

先輩のやけにムカツく物真似を前に僕は速攻電源を落とした。

怖い話投稿:ホラーテラー 雪さん  

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