中編3
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おばあちゃんの念

私はさして霊感が強いわけではありませんがお盆の前後や俗に言う見える人と一緒に居る時には何かと感じたりするようです。

これは私が社会人2年目、ちょうどお盆に入る前に体験した事です。

私のおばあちゃんはとても厳しく豪快な人でした。幼少期、周りの友達から聞くおばあちゃん像とはかなりかけ離れていてよく羨ましいなと思っていました。

祖父母といえば孫を溺愛していて優しく、親に怒られてもよしよしと味方になってくれる、そんなイメージが私の中でありました。

本当は優しい事は年を重ねてわかったのですが当時まだ小さかった私にはただただいつも怒られる親より怖い存在でした。

そんなおばあちゃんも病気を患い、私が中学生の時に亡くなりました。

それから、よく夢に出てくるようになりました。『コラ、夏休み遊び呆けてないで勉強しなさい!』、『親に迷惑かけるようなことするんじゃないよ!』等夢の中でも叱られてました。

ただ、高校卒業と同時に夢に来てくれる事がパタっとなくなりました。

少し寂しく思いましたが、安心してみれるようになったのかなと嬉しく思っていました。

その後就職し毎日が忙しく、新しくできた友達や社内のイベントやらで仕事は大変でしたが楽しい日々を送っていました。

この頃、遊びたい盛りの20代前半お墓参りをサボりだした時期でもありました。

お盆直前の日、有給休暇をもらい友達と遊びに行く予定でした。

その前日母が

『何年かお墓参り行ってないでしょう?駄目よ、ちゃんと行かないと。明日休みなら一緒に行こうね。』と。

前から約束をしていたしお墓参りより遊びに行きたいと思った私は

『えー明日は約束してるの…悪いけど行ってきて、次は行くからさごめん。』

それでも母は明日は行こうとずっと粘ってきました。

いつもならわかったよ。と諦めてくれていたのにと不思議に思いながらも遊びたい気持ちには勝てず予定を変えることはしませんでした。

当日どしゃ降りの雨。

憂鬱な気分で用意をし、待ち合わせ場所へ向かう途中、濡れるの嫌だからタクシーで行こうと普段なら電車で行く距離をタクシーで向かうことにしました。

運転手さんと世間話をしながら交差点に差し掛かった時でした。

見通しの良いはずの交差点、猛スピードで横から車が走ってきました。

一瞬でした。

ガシャン!!

タクシーと乗用車が激しくぶつかりました。

私は左後部座席、乗用車が突っ込んだのが運転手さんの後方、右後部座席でした。

かなり激しく衝突しその反動で私は頭、腕等を強く打ちつけたようでした。

目が覚めたのが病院で軽い脳震盪を起こしていたようです。

頭を打っていたので検査されましたが幸い大事には至らずほっとしました。

その後、運転手さんの話によるといつも良く使う道である、ただスピードを出す車が多く必ず一旦停止してから進むとのことでした。その交差点タクシー側が一旦停止だったのです。

でもタクシーは停止せずにそのまま走行していました。

何故、停止しなかった?の問いには『自分でもわからない…。車にも気付かなかった。申し訳ない…』と。

その後母が私に

『何かあると思ったのよ。あなたがここのところお墓参りにこないことおばあちゃん寂しかったのね。それにね呼ばれた気がしたの、私も。』

それを聞き

(そっか…ごめんねおばあちゃん。)

と思いました。

続けて母が

『でも、おばあちゃん今までで1番激しい忠告ね。だって下手したらお墓参りどころか直接おばあちゃんの所に挨拶しに行くことになってたかもしれないんだから。口は悪いけど照れ屋なところもあったから素直に来てって伝えるのが恥ずかしかったのね。寂しがってるなんて思われたくなかったのね。』

いや…シャレにならないよ、おばあちゃん…。

次何か伝えたい時は以前のように夢にしてください。

と事故後、墓前の前で強く願ってきました。

長文な上、怖い話ではありませんがここまで読んで頂きありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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