私が小学生の時の話です。
私たち家族はいつも、川の字に布団を敷いて、母、私、兄の順で寝ていました。
ある寝苦しい夏の夜、みんなが寝静まった頃、私はある声で目を覚ましました。
「ネエ…ネエ…」
私はテレビを点けっぱなしで寝てしまったと思い確認しましたが、テレビは消えていました。
「ネエ…ねェ…ねえ」
声はだんだん大きくなっていきます。
私は怖くなって隣で寝ている母を起こしましたが、いつもはすぐに起きる母がいくら起こしても起きません。
「ねぇ…ねえ!ねえ!ねえ!ねえ!ねえ!ねえ!ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえ!」
怖さのあまり、寝ぼけていた頭が完全に覚めました。
そこで全てを理解しました。
私が起こしていたのは兄で(寝たらいくら起こしても目覚めません)声の正体は母のイビキだったのです。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話