短編1
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ラーメン屋にて

その店は長い行列ができる程の人気はないが、それなりに客が多い。

俺が食いに行ったその日は、珍しいことに客は少なかった。

奥のテーブル席に一組だけ。

待たなくていいのは、ありがたい。

カウンターに座って注文しようとすると、奥の客がうるさい。

奥の客は、年齢不詳の男と、初老の女。

男は、両手に割り箸を持ち、テーブルを叩いていた。

ドン、ドン、ドン、ドン

目を閉じ、歯を食い縛って、体を震わしながらテーブルを叩いていた。

ドン、ドン、ドン、ドン

やがて、感極まったように、

うおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉぉ

と叫んだ。

そしてまたテーブルを叩き始める。

初老の女は、平然としてラーメンを啜っている。

どうなさいますか、と店員が俺に聞いてきた。

今日はやめておきます、と答えた。

帰りにタダ券をくれた。

怖い話投稿:ホラーテラー ひまわりさん  

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