中編2
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家族

先程、娘の話をさせていただいた者です。思い返してみると、私の周りの人たちには多かれ少なかれ不思議な体験があるようです。

まず父。父の父、つまり私の祖父が亡くなった夜。危篤の知らせを受け、父は実家に車で向かっていました。

時計を見ながら、まだ逝くなまだ逝くなと祈りながら、雪道をかなりのスピードで進んだそうです。するとふいに頭の中に『彦』と父の名前を呼ぶ声が。父はすぐに『あぁ。親父逝っちまった』と感じたそうです。

ならばと安全運転で進み、やはり着いた時には祖父は旅立っていたとのこと。

次に私の母方の祖母。まだ看護学生だった頃、夜中に友人と竹ノ子を取りに行った時の事(犯罪ですね)火の玉が浮いていたそうです。一つではなく、大量に。しかも列を組んで。さすがに驚いた祖母たちは逃げ帰ったそうですが、よく考えるとアレは妖怪か狐の嫁入りだったのでは…と懐かしそうに話してました。

次に旦那。まだ付き合い始めた頃に、彼が運転、私が運転席側の後部座席から彼の肩に手を回して(シートを挟んでおんぶされてるかんじ)ドライブしてた時の事。右側には十数年程前にガス爆発を起こした工場、後ろには飛び込みがあった踏切。左側にはなんだかわからない施設といういかにもな道を進んでいたところ、さっきまでウザいくらいに話していた彼がピタリと黙り、しきりにサイドミラーを見ます。

私が『なに?』と聞いても答えません。なんか悪い事いったかなぁ…と軽く凹んでいると、車はいつのまにか駅のロータリーにいました。

彼はフーッと息を吐いて、ハンドルに突っ伏してます。

再度『なに?』と聞いても渋ったのですが、しつこさには自信があり、なんとか聞き出しました。

彼いわく『…なにかが後ろから…そう踏切の方から…すんごい勢いでおっかけてきて…わかんないけど絶対怖い奴。で追いつかれたと思ったら、トランクのほうから入ってきて…俺の背中のとこにきて…さっきまでいた…』

ちょっと待て。あなたの背中って事は体勢からいって…私は今までなんか怖い奴抱っこしてたって事?想像したらゾッとしましたが、見てないし感じてないので家帰って寝ました。

お姑さんも、私の友人たちもなんだか色々あるみたいなので今度聞いてみようかと思うんですが…よくよく考えたら、こんな両家の血を一手に引き受けてる娘が何見てもおかしくないかなと。でもまだ小さいので、怖い思いはさせたくありません。できれば楽しい優しい幽霊さんたちだけ来て下さいと願ってしまうのは、親の我が儘でしょうか。

怖い話投稿:ホラーテラー ヒヨママンさん  

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