短編2
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気の合う人

私は友人と映画館にいった。

「よし!今日もおもいっきり泣くわ!」

「もう!恥ずかしいからやめてよ!」

以前、この友人と行った時、友人が映画館で号泣してものすごく恥をかいた。

私たちは映画館に入るといつもきまって真ん中あたりに座る。友人が

「真ん中が一番よく泣けるのよ!」

と訳のわからないことを言うからだ。

私は正直迷惑、いや、周りにも迷惑だろう。なにせ大声で泣くのだから。

いつのまにか映画はもうクライマックスだった。ふと隣を見ると好みの若い男の人がいた。

『あぁ、なんか申し訳ない気分・・・』

これから友人の号泣によりタイプの人に迷惑をかけてしまう。

するといきなり好みの若い男の人が私に話しかけてきた。

「君のお友達、泣きそうだよ?」

私は恥ずかしがりながら

「いつものことなんです。この後号泣すると思うのでその時はすみません。」

「いいんだ。僕も慣れたよ。」

一瞬、えっ?と思ったが、きっとこの人の彼女がそうゆうタイプなのだと勝手に解釈した。

案の定、友人は号泣し始めた。すると若い男の人は私に話しかけてくれた。

そのおかげで友人と一時的に他人になれた。

映画は終わった。スクリーンにはキャストなどの知らない人たちの名前が並んでいる。

「どうもありがとうございます。」

「いえ、こちらこそ。」

そう言って若い男の人は席を立った。私は友人に

「すごい泣きっぷりでしたね~」

「でしょ?でもすっきりした!あんたは?」

「あたしも今日の映画は楽しかった!」

「そう?じゃまた行きますか!」

私は大きくうなずく。友人が思い出すように言った。

「あ、そうそう、あんたあたしが号泣してるとき誰と話してたの?」

「えっ?かっこいい男の人!あたしの隣に座ってた人だよ?」

すると友人は

「あんたの隣、誰も座ってなかったよ?あまりに夢中だったみたいだから話しそびれたけど・・・」

私は誰と会話をしていたのだろう・・・

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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