中編3
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性霊 2

親友が何か言うのを待っていたが、彼は何も言わず布団を抱えて俺の横を通り過ぎるとドスンと布団を落として足で布団を広げた。

いないんだよ。女の子。

俺は寝室を覗いたがやっぱりいない。

『明日も運転あるから俺も寝るわ〜お前ももう寝とけよ』

そう言って、親友は襖を閉めた。

俺は恐る恐る布団をめくったが女の子の姿はなかった。あったのは俺が放出した残骸とその匂いだけだった。

正に狐につままれた気分。夢ではなかった。まだ感触が身体に残ってる。

俺は布団で寝る気にはなれずそのまま朝を迎えた。

玄関を開ける音がおばさんが入って来た事を知らせた。

俺はおばさんに朝の挨拶を言いに行った。

『あら、早いんですね。ゆっくり休めましたか?これから朝食用意するからそれまでお散歩されるといいでしょう。こんな山の中で何もないけど空気だけは絶品ですよ。』

俺は外に出てフラフラと散歩をしていた。林を抜けると昨日、女の子と最初に会った沢が見えた。朝靄に包まれたとても幻想的な景色に見とれていると、何かが見えた。

女の子だった。昨日と全く同じ格好でバケツを持っている。

『生きてた…』

自然と口からこぼれた言葉。安堵感に包まれたよ。でも昨日の事もあり、彼女に見つからないようにUターンし、宿へと戻った。

おばさんはまだ朝食を用意していた。

『俺も手伝いますよ。2階に運ぶんですよね?』

『あらあら、お客様にそんな事させられませんよ。私が運びますからどうぞお連れ様を起こして来て下さい。お部屋にお持ちします。』

『ところで、朝食は僕達二人分だけですよね?』

『?…はい。他にお客様はいませんから。お客様がみえたのは本当に久しぶりなんですよ〜。昔はこれでも繁盛してたんですよ。』

『そうですか。いや、昨日女の子が部屋に遊びに来たので、他のお客さんかな〜と思ったんですけど…』

そこまで言うとおばさんの顔が真っ青になった。

『どんな女の子でしたか?』

俺は女の子の特徴を言うと

『うちの娘です。』

『そうでしたか。なんか遅くまで付き合わせてしまってすみませんでした。彼女も朝早かったのに。でもおかげで楽しめました。』

そう言うと、おばさん肩を震わせて泣き出しちゃって

『申し訳ございませんでした…。』

って。

???えっ???

おばさんは俺を連れて、離れの自宅に向かった。玄関を開けるとほんのり線香の匂いがしてさ、チーンってお鈴の音が聞こえた。

『どうぞこちらへ』

通されたのは仏間。沢山写真があった中にあったんだよ。女の子の写真。

おばさんが旦那さんに何か話していると旦那さんも

『この度は、大変申し訳ありませんでした。』

って深々と頭を下げられた。

もう10年以上も前に女の子は他界していたんだ。

民宿に泊まりに来た客に強姦され殺されたんだって。

おばさん、泣きながら話してくれた。

俺はなんとも複雑な気持ちになった。

部屋に戻り親友を起こして朝食を頂いて宿を後にした。

帰り道、あの沢に差し掛かった時、女の子がいたんだよ。こっちを見てニッコリ微笑んでた。

心臓が氷つきそうだったよ。

親友には体調が悪いと言って、地元に引き返してもらった。

俺の傷心旅行はこれで幕を閉じたってわけよ。

親友には今も事の真実は語っていない。てか死んじまったんだよアイツ。歳取ったらまた旅行いこうなって言ってたんだけど。そん時話そうって思ってたんだけどな。

常連客はエロい描写を交えながら得意気に語っていたが最後には親友の死を語り涙を浮かべていた。不覚にも話の途中で私のイチモツが熱くなってしまったのは秘密だが。

ちなみにその男は他にも霊と交わった話があるので機会があればまた投稿しようと思う。

今回の投稿は男の語りをほぼ忠実に書き上げたのでエロい描写が苦手な方がいたらスマン。

性霊って結構いるみたいですよ。

会ってみたいような、みたくないような…。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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