短編2
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無い理由

「幽霊に足が無い理由を知ってるかい?」

駅のベンチに座っていたら、隣りから男がこうしゃべりかけてきた。

俺は見ず知らずの人と話をするのはあまり好きじゃない。

男の問い掛けを無視していたが、男はそれに構わず喋り続ける。

「なあ…幽霊に足が無い理由を知ってるかい?」

うっとうしい男だ…

俺はベンチから立ち上がり立ち去ろうとすると、男は慌てた声で言った。

「おい、ちょっと待てよ。話だけでも聞いていけよ。

あのな、幽霊に足が無い理由ってのはな、それは人間が作り上げる恐怖の心なんだ。

ある人は幽霊に足が無いように見える。

ある人には目が無いように見える。

またある人には手が伸びてみえたり…

まあ人の恐怖によって見え方が違うんだよ…

でも…まあ…

例外もあるんだ…

死んだ時に本当に足やら手が無くなってしまったんならよ、幽霊になってもないままだわな…」

俺は、訳の分からない話をしている男を振り返った。

するとそこには、胴体から下がない男が、ふわふわと宙に浮いていた…

胴体だけの男は笑いながら言った。

「わははは、俺が胴体だけに見えるだろ!

でもこれはお前の恐怖心かじゃないぜ。

本当に無くなったんだ…

そこのホームから電車に飛び込んだ時によ…」

俺は恐怖のあまり足がすくんで動けなくなった。

そんな俺に男は笑いながら言った。

「しかし…

やっと見つかったぜ、俺の下半身。」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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