短編2
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全身真っ黒の「何か」

あまり怖くはないですが(汗)

昼の2時頃。

二階の自室で寛いでいると、ピンポーン…と、インターホンが鳴りました。

二階自室から出て廊下へ。

目の前は吹き抜けになっていて、吹き抜けから見下ろすと、玄関のドアの上のガラス貼りから、玄関の外が見えるようになっています。

二階吹き抜けから、玄関前に立ってインターホンを鳴らしている人物を見ました。

宗教勧誘や訪問販売だったら、無視しようと思ったからです。

いつもなら、ドア上部のガラス貼りから、人物の頭のてっぺんから肩ぐらいまでを見ることが出来るのですが…

インターホンを鳴らしているのは、

全身 真っ黒の「何か」

でした。

…………… え。

私はもう一度見ました。

やっぱり、全身真っ黒の「何か」でした。

またインターホンが鳴りました。

今度は

「おーい、おーいっ」

と声が聞こえます。

「遊びに来たよ!出て来ておくれよ~!」

玄関越しな上に、私は二階の吹き抜けに居るので、鮮明には聞こえてきませんでしたが、「元気な男の子の声」なのは確かでした。

黒い何かは、今度はピョンピョンと跳ねるようにインターホンを何度も押してきました。

「お~い!遊ぼうよ~!」

声は元気なのに…

やっぱり全身は真っ黒でした。まるで全身黒タイツを履いているような。

顔(の凹凸)や髪がありません。

服を着ている様子もありません。

でも、裸ってワケでもありません。

例えるなら「非常口マークの走ってる人」みたいな感じです。

私は「黒」という色にとても不吉な予感がして、

「気付かれたらヤバい…!」

と思い、二階廊下にしゃがみ込み、息を殺し、インターホンが鳴り止むのを待ちました。

どのくらい経ったのか分かりません。

黒い何かが

「居ないのかな~?また来るね~!」

と言い残し、インターホンは鳴り止みました。インターホンが鳴り止んでも、不気味な物体にテンパって暫く動けませんでした。

後日、友人にその話をすると

「新○袋っていう、本当にあった怖い話を集めた本で読んだことがある内容だね」

と返してきました。

どうやら「全身○色の何か」は、全国あちこちで目撃談があるようですね。色は、黒・赤・緑など。

「非常口マークの走って逃げる人」みたいに、凹凸が無い体…と言うのが、よく見られる共通点らしい。

一体何者なのか、

結局分かず終いのままです。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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