短編1
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棺から電話

ある男は人1倍「死」を恐れていた。

理由は、死ぬことが怖いのではなく棺の中で生き返ってしまったらどうしよう・・・というものだった。

男が病で死んだとき、遺書には「おらの体を焼かないでくれ。そして棺の中に電話線を引いてほしい。おらが生き返ったら電話するから。」というメッセージが。

村人は、棺の中に電話線を引いて埋めた。

翌朝、村長のもとに電話がきた。村長が受話器をとると「・・・おら・・・・かえ・・・た・・て」と途切れ途切れに聞こえる。

村長はイタズラだっと言って切るのだが、何回もかかってくる。村長の孫は「あの人からの電話だよ」と言い出した。

電話もこなくなったとき、孫があまりにもうるさいので男が死んだことを証明するために孫と墓を掘った。

棺を開けた村長は立ちすくんだ。

棺には人が引っかいた傷跡、誰かが中で暴れた形跡・・・・

そして、怒りに満ちた表情で目を閉じる男の顔・・・・・・

それから村で「棺の中で電話線を引いてほしい」という人が続出したが、村長のもとに電話がくることはなかった。

怖い話投稿:ホラーテラー 馬鹿さん  

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