中編3
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12時からの電話

Sさんの家は今日も一人で家の中にいた。

Sさんは何のやる気も出ず部屋で雑誌を読んでいた。

時計を見ると11時59分だった。

S「もう寝ないと明日学校なのに」

Sさんは寝ようと立ち上がった時に

プルルルル

プルルルル

家電がなった

S「こんな時間に誰だよ...」

何気なく時計を見ると12時丁度だった。

プルルルルプルルルルプルルルルプルルルルプルルルルプルルルルプルルルルプルルルルプルルルルプルルルルプルルルルプルルルルプッ

S「はい」

?「............」

S「あの.......」

?「あのね....あのね....」

S「どちら様?」

?「あのね....あのね...」

S「いたずら電話なら切りますよ?」

?「あのね.......あのね......あのね.....」

ガチ

いたずら電話だと思いSさんは電話を切って眠りに落ちた。

次の日学校の友達にあの電話の話をした。

S「夜中の12時にね!キモくない?」

K「気味悪い....」

A「あの、先輩...」

S「ん?」

A「もしかして...その電話.....自分から切ったりしました?」

S「当たり前じゃん。あのねしか言わないもん。気味悪いから切った」

A「先輩!まずいですよ!!」

S「え?」

A「12時ちょどの電話には絶対出ちゃいけないんです!」

K「そういえば聞いた事ある。12時からの電話は死者からの電話なんだって。12時まさしくその時があの世の人達がこの世に電話出来る時間なんだっけ?」

A「はい。電話に出ても絶対にどんなに怖くても自分から切ってはいけないんです」

S「絶対にいたずらでしょ!」

K「最近身の回りの人で誰か亡くなったりしてなかった?」

S「.......一ヶ月前に...........友達が病気で....」

AK「................」

十年ほど前

S「Nちゃんすごい!この手袋自分で作ったの!?」

N「うん、私、病気が酷くて裁縫しか出来なくて....」

S「すごいよ!私にも何か作って!」

N「いいよ。絶対に病気を治してSちゃんに手袋渡すんだ」

一ヶ月前

Sの母「Nちゃんがね....容体が悪化してさっき亡くなったって.....」

現在12時丁度

プルルルルプルルルル

プルルルルプルルルル

S「はい」

?「あのね.....あのね....」

S「Nちゃん?」

?「.......」

S「Nちゃんだよね?」

N「......うん」

S「久しぶり......」

N「....Sちゃん.......ごめんね.......私......約束......守れなくて.......病気治らなかった...............手袋渡せなかった.........私.......死んじゃった.......ごめんね....」

S「ううん......私のために手袋作ってくれてありがとう.......私も......あの約束からずっと会いに行けなくてごめんね.....」

N「Sちゃん......ありがとう........私......もう......いかないと....」

S「Nちゃん」

N「......Sちゃん......行ってきます.....」

S「Nちゃん....行ってらっしゃい」

怖い話投稿:ホラーテラー 罪人さん  

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