遅くなってすみません、続きです。
改めて言いますが、怖くないし、他の方の作品と比べるとインパクトないし、物凄く感動…はせず、超面白い…訳ではないので、先に謝ります。
ごめんなさい。
でもコピペでもないし、本当に俺が体験した話です。
親友の母の遺影にお線香をあげ、手を合わせて早くお見舞いこれずに、ごめんなさい…など頭の中で謝罪を続けました。
そして、その母の誰からも愛され、本当に優しい笑顔・優しい声を思い出し、こみ上げるものがありましたが、内心まだ受け入れたくない気持ちからか、我慢していました。
その後、リビングの端に俺の荷物を置かせてもらい、遺影の横にあるソファーへ座り、煙草に火をつけました。
親友は俺と軽く喋りながら、いつも母が立っていた台所で酒の用意をしてくれていました。
少しして氷入りのグラスと焼酎の瓶を持ち、ソファーの真ん中のテーブルへ酒が並びました。
自分と親友はかなり酒呑むほうで、日本酒・焼酎・ワインなんでもこいな感じでした。
(俺はビールは嫌い…)
実際東京で2人で同じ職場で働いていた時は、週5で居酒屋や親友の家で朝まで宅呑みしてました。
まだ26ですが、もう呑んでる時は2人共、酒と煙草を交互に、枝豆やタコわさや、焼き鳥喰って…
オヤジに片足突っ込んでるどころか、完全なるオヤジですよ…
はい…すいません
どうでもいい話ですね
(笑)
親友とはソファーに対面で座り、親友の裏に母の遺影や骨、その横に襖が壁に収納できオープンタイプ?の和室があり、そこが母の寝室でした。
グラスを持ち、
俺「…久しぶりの再会と………色々……お疲れさん……。」
と言って、乾杯。
正直なんて言えばわからなかった…
でも今一番、親友に言いたい言葉だった。
親友は、
「………おぅ。」
とただ一言。
静かでお線香の香りが漂うリビングでグラスのいい音がした。
親友は俺の思いをちゃんと理解したのか、俺の一言に一瞬泣きそうになり、その変わらぬ友情が、素直に嬉しかった…。
つまみを出してくれて、長い夜行バスの旅で腹減ってた俺はつまみメインで酒を呑んでた。
呑みながら最初はお互いの近況の話。
俺が彼女とは喧嘩してねぇかとかお互いの職場の事とか…
話してる間に親友はだんだんと自然な笑顔になってきて、俺も楽しかった。
俺はバスターミナルで久しぶりに親友と再会して、親友の目を見た時、今日までどれだけ悲しい思いをしたかすぐ理解した。
聞きたい事も山ほどあり、親友の母の話題を振りたかったが、今日は昔みたいに酒呑んでバカ騒ぎして、親友には時間忘れる位楽しく過ごさせたいと思って、一切母の話を振らなかった。
親友の母も許してくれると信じて…
少しして、親友が東京にいた頃から長年飼ってる犬がいない事に気がつく。
俺「あれ??チャッピーは??」
親友「あぁ…チャッピーなら、もうくたばっちゃったよ…」
俺「…え?」
パピヨン?(すまんあんま詳しくない、小型犬)て犬種のチャッピー。
もう10年近く飼い続けて、人間だったら余裕で90歳超えの老犬。
前回来た時は、白内障になり目があんまり見えてなく、筋肉も衰え歩く姿もプルプル震えてて、弱々しかった。
寂しいし残念だ…
親友「チャッピーは今はオカンと一緒に寝てるよ!」
と笑顔で親友が言う。
遺影の所に行くと、最初は気づかなかったが、ちゃんとペット用の火葬をして、親友の母のとは10分の1位の小さな骨壺が母のすぐ隣に置いてありました。
(そっか…
お母さんと一緒にいれるんだ…)
俺はチャッピーの分も、もう一度お線香あげました。
その後も、酒を呑みながら話を続け、気づいたら朝方4時近くでした。
さすがに寝るかぁとなり、俺はソファーで寝る予定だったが、親友のベッドがキングなので、一緒にベッドに寝る事にしました。
(決してそういう関係ではないですよ?w)
たんまり酒が入っていたが、お互い時間が惜しいのか携帯の明かりのみの暗い部屋で、話を続けた。
俺「そういやー、お通夜や告別式は無事に終わったん?」
母の話題は聞かないつもりだったが聞きたくて…
本心はもちろん何が何でも出たかったが、仕事の都合でどうしてもでれなかったから…
思い切って聞いてみた。
親友「………ん〜……まぁね…。」
自分は、自分で言うのもなんだが、洞察力に長けている。
長年連れ添って一緒に馬鹿やった親友…。
本人は明るく言ったつもりだろうが、暗闇で顔は見えなくても、声だけで感情の変化にすぐ気付く。
(…何かあった…)
親友からは若干の怒りみたいな感情が伝わり、部屋の空気が少し変わった。
何かあったのは確信した。
…が、親友が怒るような大事な事を、こんな横になってる暗闇で聞く事じゃねーなと思って、
俺「……明日詳しく話せ…」
親友「……うん、…ありがと。」
と言って、そのまま就寝しました。
怖い話投稿:ホラーテラー リンキンさん
作者怖話