短編2
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窓をたたくもの

深夜、A子さんは異様な物音を聞いて目を覚ました。

何かを引きずっているような音が窓の外から聞こえていた。

道に面している家なのだが、この時間ともなると人通りはない筈であった。

両親が旅行に出かけ1人だった彼女は、怖くなったが、その音に耳を傾けた。

暫くすると音が停まった。

しかし次の瞬間、カーテンを引いてある窓が「ドンッ」叩かれた。

A子さんの心臓は、胸から飛び出さんばかりに高鳴った。

ドン…ドン…力のない音が何度も聞こえる。

彼女は勇気を振り絞って窓の方へ近寄っていった。

「誰? 誰かいるの?」

窓の外からは返事はない。ただ力無く窓を叩く音だけが聞こえる。

「いたずらだったらやめて下さい!」震える口唇を抑え、彼女はきっぱりと言い切った。

しかし返事はなく、カーテンの裏からは、ゆっくりとしたテンポで窓を叩く音が聞こえるだけであった。

彼女はカーテンの端に手をかけ、目をつぶって一気に開いた。

ゆっくりと開いた彼女の目に飛び込んできたのは、顔中血だらけの、しかも薄笑いを浮かべた髪の長い女の顔だった。

「きゃ-!!」彼女は叫び声をあげると、急いで家を飛び出した。

逃げるように友人の家に転がり込んだ彼女は、その夜起きた出来事を友人に話した。

霊感の強い友人は彼女の話を最後まで聞くと、引き出しからお守りを取り出し、それを彼女の首にかけた。

安心した彼女は友人の家で朝までゆっくりと眠った。

朝帰る時、友人は心配してくれたが、彼女は「お守りがあるから大丈夫」と一人で帰る事にした。

彼女が家の近くまでくると、周りにはかなりの数のパトカーが停まっていた。

近くに立っていた主婦に彼女は聞いてみた。

「何かあったんですか?」

主婦は答えた。

「昨夜、通り魔に襲われた女の人がここまで逃げてきたんだけど、そこの家の所に来て息絶えてしまったんだって。可哀想に」

主婦の示した指の先には、彼女の家があった。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

Concrete
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秀作かな。
それなりに纏まりあって起承転結ついてていいんだけど。
薄ら笑い浮かべて助け求めるなら誤解されても仕方ないか。
呼び出しチャイムのない家って見たことないし、チャイム押せば良かったし。
この女の人は悪くない。

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